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現場の取り組み

情シス野郎チラシの裏【11】 システム運用その2

現場の取り組み

前回述べた通り、システム運用とはシステムに価値を持たせる業務であり、
その効果を大きくするためには総合的な見識やバランス感覚が必須である。

システム開発においては上流工程※において特に重要とされる能力だが、
実は日常の運用においても重要である。
※上流工程:システムなどの開発・設計における初期の段階のこと。ここでの設計活動が品質及び開発期間を左右すると言われている。

重要、というよりは幅広い可能性に思いを馳せる能力が必要、
という表現が正しいかも知れない。

一人のユーザーから
「エラーが出ます。」
という障害報告があったとする。
この時点で考えられる原因はあまりにも幅広い。

サーバのソフトウェアのせいかも知れないし、ハードウェアのせいかも知れない。
PC故障だってあるし、ブラウザやセキュリティソフトの設定異常もある。
ネットワーク面でもルータやスイッチ、果てはケーブルにも可能性はある。

実は「報告者の操作ミスでした^^」 というオチを思い浮かべる事もある。

そういう想像をするためには幅広い分野にわたる視野の広さが必要となる。
また、最終的な対応を決める際にはバランス感覚も必要だ。
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例えば、セキュリティソフトの設定に問題があったとする。
通信自体の設定を変更してしまうのか、PCの設定変更で済ますのか、と考える。

PCの設定を変更するとしたら、
セキュリティホールになる事は無いか、設定は全端末に自動配布するのか、各端末で設定してもらうよう手順書を配布するのか、と考える。

報告者への対応だけを行い、他には何もしないという選択肢もある。

上記は単純な、それほど深く考える必要はない事例だが、
例え単純であっても何かを変える必要があれば
・影響範囲
・発生頻度
・重要度
などをよく考慮して、おおよその方針を決めなければならない。

さらに実現性として、
・技術面
・セキュリティ面
・必要工数や費用
等を考慮した対策案を出し、最終的にはもちろん
・関係者の同意
を得て実行に移す。

細かいことであるだけに、視野が狭いとこれらのどこかで道を間違えたり、対向車にぶつかったりするものである。広い視点で、安全かつバランスを取れる内容を考えなければならない。

これを繰り返し行うことがシステム運用であり、正しい結果を出し続けていれば、
おのずとシステムの価値は高まるというものである。

さて、システムの価値という点で言えば、前回のように某テーマパークの例を挙げるまでもなく、
物の価値はユーザー満足度と密接な関係がある。

運用者にとってシステムの価値を高める唯一の方法は、
“なるべく多くのユーザーの皆様にご満足頂く” ことである。

ユーザーから見ると機能が十分とは言えないシステムがあり、その運用を任されたとする。予算やスケジュールの関係でしばらく改修は不可能。

往々にしてあるそういう状況においてユーザー満足度をなんとかかんとか維持・向上させるためには、運用者が誠意を持って丁寧な態度で接するしかない。
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おれが心がけていることは、3つ。

・質問やクレームには最速で対応する

次から次へと襲い掛かってくる業務の中、QA対応は後回しにすると忘れてしまう。
そうならないよう、すぐに終わることはすぐにやる。
明日やろうは馬鹿やろう である。

・システムや開発者を悪者にしない

「仕様です」 というセリフを運用担当者は死んでも使ってはいけない。
相手を押し黙らせる事に意味は無いし、相手によってはぶっとばされてしまう。

代わりに、
「改善要望として預からせて下さい。ありがとうございます。」
と言えば、どれだけ印象が違うだろうか。

・操作ミスをユーザーのせいにしない

「いや普通間違えないでしょこれwww」
という気持ちは態度に出なくても伝わるものだ。

操作ミスをさせてしまったシステムを恥じ、改善したいと思わなければならない。
もちろん実現出来るかどうかは別であるが、要は気持ちの問題だ。

システムの運用者=システムの保護者、と考えれば分かるかと思う。

自分の子供がしでかした悪さに対して謝りもせず、
「子供のしたことなので・・・^^;」
などと言える親は保護者失格ではないだろうか?

ましてや他人のせいにする保護者など誰がまともに取り合うだろうか?

そういうことである。

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