仕事のプロにきく10の質問

(第1回)話し方、コミュニケーション

ビジネスで遭遇する【困りごと】って、業種・仕事が違っても、同じように悩むものかもしれませんね。

「ビジネスパーソンおひとりおひとりの【困りごと】を解消するための役に立ちたい!」ということで、スキルについての知見豊かな会社に突撃インタビューを試みました。

目の前の課題に真剣に向き合うみなさんにとって、ささやかでもお役にたてる記事になっていればうれしいです。

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第1回目は「話し方、コミュニケーション」に関する【困りごと】を解決するため、「株式会社話し方研究所」※の講師:福田賢司さまに質問をしてきました。

「株式会社話し方研究所」は、コミュニケーションの基本を見直し、日々の生活に活かすための学習プログラムをこれまで多く開発してこられた会社です。

 

【10の質問】

 

●会社について

 

 

1.何で「話し方研究所」って会社名にしたの?

今から30年以上前に、『話し方ブーム』ってあったんです。その時は、人前で堂々と話すスピーチがメインでしたが、話し方が企業の社員研修に導入されるなど、活発な広がりがありました。

その時、設立者である福田健が、話し方を学ぶ場を広げようということで作ったのが当社です。「教えるという一方的な上から目線ではなく、研究者として伝える、という意味で話し方研究所にしたんだよ」と話していました。

2.講師のみなさんは「話し方」スキルを身につけて、どんないいことがありましたか?

当社の講師は、ほとんどが話し方に自信がなく、対人関係で悩んで教室に来た生徒さんたちです。そこから自分自身が変わったという成長実感を持ち、同じように悩む人にも伝えたいという気持ちで講師になっています。

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「話し方」を学ぶことで、仕事だけでなく生活の全てにおいて、自分の考えや気持ちをはっきりと伝えられるようになった、というのが大きな収穫であると言えます。自分のことをわかってもらえない、言い負かされて悔しい、信頼できる友人ができない、そんな人間関係の悩みを、話し方のスキルで払拭できることが、学びの成果なのだと思います。

3.講師の最年長・最年少の年齢を教えてもらえますか?

最年長は80歳です。講師の仕事に定年はありません。気力・体力が続くことと、話し方への探究心を持ち続けることができれば、年齢は関係ないのです。

ただ、最年少は、社会人経験が2~3年はないと組織内コミュニケーションがわからないため、25歳以上が当社の基準です。

4.講師の方々が「話し方」スキルが大事だ、と思ったきっかけは?(代表例でいいです)

はじめからプロ講師を目指していた、というよりも、コミュニケーションに悩み、自分を変えるきっかけを探していたというのが本音だと思います。

なので、人それぞれですが、代表的なものとしては、仕事上で役割が変わる、新たに何かを任された、などそれまでの自分の話し方では通じないと強く感じたときが、きっかけになるようです。

技術系の人間が営業をやる、他部署や他社の人間と共同でプロジェクトを推進する、などの場合ですね。話さなければ前に進まない、という状況で、自分のレベルが追いついていないことに気づく。当社の講師はみなそんな思い出話を持っていますね。

5.講座にはどんなコースがありますか?

目的別になっているものが4コース、「人間関係コース」「スピーチコース」「説明力コース」「説得交渉力コース」とあります。 ※取材時(2016年3月)現在

この4コースは全てベーシックアドバンスに分かれていて、基本から応用へとレベルアップしていく仕組みになっています。

 これらのコースの先には、「話し方アドバイザー」の認定コースがあります。さらにその先には、「話し方プロフェッショナル・インストラクター」コースがあります。
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●話し方スキルについて

 

6.どんな性格の相手とでも上手にコミュニケーションできる「話し方のコツ」ってあるの?

「話し方のコツ」というよりも、「聞き方のコツ」と言ったほうが正しいかもしれません。

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苦手なタイプの人と話をするときは、話すことよりも聞くことを優先させたほうが会話もスムーズに進みます。その時、「確かに」「なるほど」など同意を示すあいづち言葉を多用しましょう。自分の話を良く聞いてくれる人には好意・好感を持つものです。

7.口下手です。話すことが不得手だとビジネスではマイナスなんでしょうか?

話すことが不得手だと考える前に、話すことに対して意欲的であることが重要です。どうも口下手という人の多くが、流暢に話すこと、次々と言葉を発することを理想的と思っているようです。

それよりも、「相手のことを考え、相手に伝わるよう真剣に考える」ということが、話すことの本質ではないでしょうか。相手のことを考える、ということはビジネスでも重要ですよね。よって不得手を放置しておくのは、マイナスだと言えるのではないでしょうか。

 

8.元々の声がきれいじゃなくても話し方上手になれますか?

声質は話し上手と関係ありません。聞き取りにくいとすれば、それは滑舌口のあけ方の問題でしょう。トレーニングで改善できます。

テレビでニュースを読むアナウンサーも、最初からあのような話し方だったのではなく、徹底的に訓練して得た結果です。幸運にも美声を持ち合わせた人だって、だらしなくしゃべればきれいな声には聞こえません。声を活かすのは持ち主の意識です。訓練次第で誰でも耳に心地よい声になりますよ。
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9.大勢の前で話すのがすごく苦手です。克服できますか?

人前で話す緊張感で、いわゆる“あがり”を強く感じ、口が渇き、手は震え、準備した内容も頭が真っ白で、なんて経験がある人は、苦手意識を持つのも当然です。

でも“あがり”って実は失敗したくない気持ちの高まりであったり、うまくやりたいという向上心であったり、決してマイナスなものではないのです。それをコントロールできるようになれば、人前でも堂々と話すことができます。場数もさることながら、準備の仕方も含め、対策はいくつかあります。

まずは、あがっているけどがんばる、というメッセージを最初に出してしまうと、割り切ってスピーチができるので、「今日はこのような場で緊張しております。ですがきっと皆さんの役に立つ情報をお話できると思うので、精一杯がんばります」というように思い切ってあがっていることを告白し、自分を鼓舞することで、後が随分と楽になるはずです。

その他のコツは、話し方研究所のスピーチコースに来てください(笑)

10.SNS(文字でのコミュニケーションツール)が流行ったり、翻訳・音声変換システムが開発されることにより、自分で話す工夫はいらなくなるんじゃないの?

そうですね、本当に「人と話すことが減った時代」になったと感じます。だから、相手のちょっとした表情からその人の気持ちを推し量ったり、場の空気を読んで言葉を選んだりする配慮や工夫が苦手になっていくのでしょう。

つまり、SNS全盛期だからこそ、もっと人と話をする機会を自ら意図的に増やさないと、対面でのコミュニケーション能力が衰えるということです。

自動翻訳システムなどの発達で、今後外国語を覚えなくても海外旅行ができる時代になるでしょう。しかし本当に心が通うコミュニケーションを目指すなら、自分自身の話す技量を高め、海外であれば語学を学び、人とのつながりを深く、強くしていく努力が欠かせないでしょう。

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