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ソルクシーズで働く人々

IBM Championが教えるNotes【3】バージョンアップを始めよう。まずはアプリケーションの棚卸しから! (【棚卸しツール】プレゼント付き)

ソルクシーズで働く人々

前回までノーツから他のシステムに移行するのか?それともバージョンアップして使い続けるのかについて比較してきました。今回は、最終的にはノーツをバージョンアップすることになったとして、どのようにバージョンアップしていくのかについて話をしたいと思います。

最初に行うのが、アプリケーション(データベース)の棚卸しです。

ノーツを長期間利用していればいるほどアプリケーションの量は多くなっています。バージョンアップを機会に、使用されなくなったアプリケーションを廃止または統合して整理しましょう。この後に行うアプリケーションの互換検証の作業量を減らすためにも必要です。

【アプリケーション一覧の作成】

整理するためには、サーバー上にあるアプリケーションの一覧を作る必要があります。日頃からアプリケーションの一覧を作成して管理していればよいのですが、なかなかそうもいきません。また、メンテナンスや作業用のアプリケーションがひっそりと残っているという場合もあります。

手っ取り早く一覧を作成する方法として、私はデータベースカタログ(catalog.nsf)を利用しています。データベースカタログは、標準設定では毎晩1時にサーバー上のアプリケーションの一覧を収集しています。これを使わない手はありません。

ただし、標準のビューではデータベースのプロパティで「データベースカタログに表示」がチェックされていないアプリケーションは表示されません。では、「データベースカタログに表示」がチェックされていないアプリケーションはカタログデータベースに登録されていないのか?というと実は登録されています。

ビューの選択式で「データベースカタログに表示」がチェックされているものだけを表示するようになっているだけなのです。ですから、新規にビューを作成して選択式から以下の条件式を除くとすべてのデータベースが表示されるようになります。

!(DBListInCatalog = “0”)

ビューに列を追加して以下の情報が表示されるようにしましょう。

No.3図形

ビューができたら「表形式でコピー」や「書き出し」で Excel へデータを移します。

ここで一覧に「DB番号」の列を追加してください。 今後の管理をしやすくするためにアプリケーション毎にユニークな番号を割り振ります。

【アプリケーションの仕分け】

アプリケーションの一覧ができたら、仕分けします。
まず、以下の情報を分けましょう。

1. NTF(テンプレート)とNSF(アプリケーション)
2. Notes/Domino 標準のシステム系 NSF とユーザーが利用しているアプリケーション
3. メールとその他のアプリケーション
4. 不要なアプリケーション。特に、データベース名に「テスト○○○DB」や「○○○ バックアップ20100612」、ファイル名に「test_XXX.nsf」や「xxx_backup20100612.nsf」など一時的に作業で作成したアプリケーションがあれば確認・削除対象として一覧に記します。

ある程度仕分けできたところで、以下の情報を付与します。

・重要度
業務の上での重要度を割り振ります。
細かすぎると大変ですので5段階評価でよいでしょう。
(例) A:業務上停止することが許されない~E:代替手段があるので1日利用できなくてもなんとかなる、など

・影響範囲(利用範囲)
全社、1部門など

・優先度
重要度や影響範囲などから最終的な互換検証の優先度をつけます。

・アプリケーションの種別
ワークフローシステム、人事システム、経理システム、与信システムなどアプリケーションの種類に応じて分類します。

重要度、影響範囲、優先度、アプリケーションの種別は人の判断が必要になります。また、この4点は利用企業自身でないと判断がつきません。大変ですが、今後の作業のために必要ですので頑張りましょう。

ここで、アプリケーションの設計が同一のもの(例えば、各部門にある部門掲示板)は、代表のアプリケーションを1つだけ選び、その他は互換検証対象外とします。互換検証は同一の設計であれば不要です。極力同一の検証は行わないようにするのがバージョンアップ作業量を減らすのに役立ちます。

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整理していく中で、使われなくなった古いアプリケーションが見つかることがあります。
その場合、関係部署に利用状況を問い合わせて必要に応じて廃止なども検討しましょう。

今回棚卸しで使ったデータベースカタログには、貴重な情報が詰まっています。例えば、アプリケーションの基本情報以外にもアクセス制御リスト(ACL)の情報も含まれているので、特定のユーザー(退職者など)が ACL に登録されているアプリケーションの一覧を調べることも簡単にできます。バージョンアップだけでなく平時からアプリケーションの資産管理にも利用できますのでぜひ活用してみてください。

私自身も、棚卸しやアプリケーション管理に利用できるツールとして「Domino資産管理」アプリケーションを作って活用しています。

(私が作ったツールを無料でご提供いたします。ご興味のある方は、記事末尾の「Notesに関するお問い合わせ先Emailアドレス」宛にご連絡ください。)

ここまで進めると今回のバージョンアップで検証しなくてはいけない対象のアプリケーションがはっきりとします。最初に「バージョンアップ対象のアプリケーションの数(母数)」と「アプリケーションの互換検証対象」をはっきりさせることがとても大切です。

今回は、データベースカタログからサーバー上にあるアプリケーションの一覧を作成し、棚卸しをするところまでをご紹介しました。次回は、非互換箇所の調査と検証について話をする予定です。

 

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Notesに関するお問い合わせ先Emailアドレスsskaihatsu@solxyz.co.jp

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