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はばたけソルクシーズグループ

インターディメンションズが、集中豪雨を予測する「雨量モニタリング」の実証実験を開始!

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この夏、熊本や山形など各地を集中豪雨が襲い、浸水や土砂崩れ、川の氾濫などで甚大な被害が発生しました。いつ、どこでどのくらいの大雨が降るかがわかれば、適切な避難方法を選ぶことができ、被害を最小限に食い止めることができるかもしれません。
インターディメンションズがIoT技術を活用して開発した「雨量モニタリング」は、早期災害予測をできるようにするためのシステムです。開発を手掛けることになったきっかけは、2年前に西日本を襲った記録的な豪雨でした。
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1年半を費やして構築したシステムは、実用化に向けたテストを行える段階に入り、宮城県の東松島市と東北大学災害科学国際研究所の協力を得て、2020年7月より早期災害予測の実証実験がスタートしています。
実験のパートナーに東松島市が選ばれたのは、東日本大震災の被災地で最初に『SDGs未来都市』に選ばれたからです」と語るのは、開発に携わったFさん。
雨量モニタリングの仕組みについて聞くと、「3つのセンサーで計測したデータをPCやタブレット、スマートフォンで確認できるシステムです」とわかりやすく説明してくれました。
雨量、土壌の水分、温度を計測するセンサーを設置し、クラウドシステムにデータを送信します。広範囲に対応している気象庁のシステムではカバーしきれない局地的な集中豪雨を捉えて対策に生かせないか、という発想が始まりです。
東松島市と相談して3ヵ所に設置したのですが、地域の避難所でありながら土砂災害区域でもあります。もしものときに地域の住民を適切に誘導したい、という責任者の方々のモチベーションが高かったのはありがたかったですね
センサー開発のスペシャリストであるパートナーと議論しながら構築したシステムで、データ取得自体は簡単なのですが、難しいのは「危険を定義すること」だそうです。
どういう雨の動きになると危険なのか、危険度のレベルを段階的に設定するなどにより明確にしたいんです。災害科学国際研究所の森口周二准教授の協力を得て進めているのが、危険レベル判定の基準づくりです
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相関関係や因果関係を割り出す専門家の協力を得て、全国統一基準で運用できるシステムをめざし、現在も検証と議論を重ねています。
産学官が連携する新しい枠組みのなかで、民間企業であるインターディメンションズの大きな使命のひとつに実用化があります。導入しやすい費用、納品までにかかる時間、利用しやすさなど、さまざまな観点で改良してきました
機能面においても、改善の余地があるとのこと。
時間あたりの雨量だけでなく累積雨量も計測し、突発的な雨量増加も測定できるようにしたい。通信モジュールは汎用性を持たせているので、雨量センサーに加えて水圧センサーを搭載すれば、河川の水位を予測することも可能です」。
実証実験を繰り返しながらシステムをバージョンアップし、レベル判定基準や運用方法などが確立したら、最も重要なタスクは広報となります。
豪雨の頻度が高い西日本を中心に、防災意識の高い市町村を動かしたい。集中豪雨で被災したエリアに加えて、土砂警戒区域、介護施設がある地域、国の重要文化財周辺などに設置できればと考えています」。
3名の担当社員と協力会社で始めたプロジェクトが、自治体や大学というパートナーを得て、やがて全国に広がっていく…。システムエンジニアの醍醐味ともいえるダイナミックな取り組みが、多くの人の命や生活を守る日が来ると信じて、応援し続けようと思います。

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