ついつい使っちゃう…SEのあるある表現&発想集【家庭編】
「バグ」「オンスケ」「シェア」「ググる」はだいたい大丈夫。「タスク」「サマリー」「コンセンサス」「コミット」「フィックス」は、「スカしてる」と思われることも。「WBS」「OS」「インストール」「仕様」「工数」「〇人日」はふだんの会話で使うと危険…!
システムエンジニアがついつい使ってしまいがちな、専門用語のお話です。
開発の現場や社内会議ではスムーズに通じても、1歩外に出れば、そこは世間という別の国。“和を以て貴しとなす”日本人は、内心はどう思っていても半笑いでやり過ごす術に長けているだけに、「ホントはどう思われているか?」を知るのはやっかいです。
こちらはアタリマエに話しているつもりでも、「あの人のいっていることは、よくわかんない」と思われ、知らず知らずのうちに距離を置かれることも…。
システムエンジニアのみなさんと話をしていて気づいたのですが、最も注意すべきは「SE夫婦」です。会社では“バッチ”、家でも“デフォ”と、24時間IT専門用語体制。
「走る」「渡す」「食う」「投げる」などという動詞の使い方も独特です。「テーブルをなめる」というのは、一般社会では下品な行為を指すのだということを、ときどき思い出す必要があります。
仕事と子どもの送り迎えでCPUが暴走寸前の奥様、開発のプロジェクトがパツパツで体力のバッファゼロのダンナ様、例えば自宅でこんな会話をしていたりしませんか?
「洗濯とか買い物とか、1度オーダーしたことは覚えてほしいんだけど。それから、今度のご近所バーベキュー、WBS作ったほうがよくない?」
「バーベキューの買い出しの件、元のタスクは生きてるんだっけ?ウチの担当タスクを切り出して、ネゴっといたほうがいいよ」
先日、「ウチの奥さんの要求仕様」という表現を聞いて、あまりの新鮮さに一瞬黙ってしまいました。いえ、夫婦で会話する分には、いいんです。問題は、他国では別な会話のマニュアルとフローが走っていることを理解しているかどうかです。
子どもを遊ばせているお母さんが集まる公園で、「タスクはフィックスしたんだけどスケジュール感が微妙…」などと口走った日には、その場の雰囲気のほうが微妙になります。周囲の見る目が「ITモンスターが来た!」とならないよう、相手にフィットするユーザーインターフェースを実装しましょう。
ここまで読んで、無意識のうちにやっちゃっていたご自身に気づいた方もいるのではないでしょうか。
次回の「SEのあるある表現&発想集」では、一般人とスムーズにコンセンサスを得るための態度や、言ってはいけないセリフについて、「あるべき論」でサクサク紹介いたします。