5分でわかるITトレンド2020 (2)〇〇現実編
VR・AR・SR・MR・JR。最初の4つが「xR」と総称されるITトレンドで、最後のひとつだけ現実空間…というより日本人なら誰もが知っている輸送サービスです。
ひと頃話題になった仮想空間技術は、今後もニーズが高まり、成長を遂げていくといわれています。これを読んでいる人のなかにも、「4つの違いがわからない」という人がいるのではないでしょうか。まずは、それぞれの定義について説明しましょう。
最も知名度が高いのは、VR(Virtual Reality)でしょう。スマホやゲーム機などで、VRコンテンツを利用したことがあるという人も多いのではないかと思われます。
日本語にすると「仮想現実」。映像の世界に、実際に入り込んだような感覚で、さまざまなコンテンツやサービスを楽しむことができる技術です。
ゲーム以外では、ショールームやライブ観戦などでVR技術が活用されています。インテリアショップで、部屋を360度見渡して家具の雰囲気を確認することができたり、乗り物のコクピットで実際に運転している感覚を得ることができたりします。
医療分野では、VR技術を使って手術のノウハウを共有し、理解度を高めるという試みがなされているそうです。
ARは「Augmented Reality (オーグメンテッド・リアリティ)」の略称で、拡張現実といわれています。
二次元の絵やポスターを立体的に見せたり、自室の画像にカタログから家具を呼び出して色や大きさをチェックできたり、日本地図に山や湖の名前と高さ・深さを重ね合わせて理解を深めたりすることができます。
代表的なコンテンツとして、「ポケモンGO」があります。
目の前の景色にポケモンのキャラクターが現れるという楽しさが人気となっており、その向こう側には「メガネをかければ、目の前の世界にキャラクターやお店の情報などを表示することができる」ARグラスが当たり前に使われる未来があるといわれています。
VRはあくまでも仮想世界ですが、ARは「現実と仮想のミックス」であるところが両者の違いです。
VR(仮想現実)と、AR(拡張現実)を組み合わせたのがMixed Reality(ミックスド・リアリティ)といわれるMR、すなわち複合現実です。
ARが現実にデジタル情報をプラスしていくのに対して、MRはデジタルがメインで、現実空間の座標とデジタルの座標を合わせて空間を生み出す仕組みです。
「設計図面から起こした建築物を複数のユーザーで共有」「オフィス街に現れた怪獣にみんなで攻撃する」といったコンテンツを体験できます。
最後に紹介するのは、耳慣れない人が多いと思われるSRです。Substitutional Reality(サブスティテューション・リアリティ)の略で、日本語では「代替現実」。
現実世界に過去の映像を重ねて、新たな世界を創出する技術です。「部屋にいたら、突然(あらかじめ撮影しておいた)芸能人が入ってきて告白される」「オフィスにいる人が、ひとりひとりゾンビになっていく」といった今までにない感覚をもたらすコンテンツが制作される可能性があります。
以上、xRの概念と考えうるコンテンツについて、紹介しました。
数年後には、「スマホはもう古い」「映像でショッピングが当たり前」「仲間とともに楽しむバーチャル旅行が大人気」といった時代が到来しているかもしれません。