5分でわかるITトレンド2020 3)DARQって何?
金融業界におけるさまざまなトレンドと、「xR」と呼ばれる仮想現実の活用について紹介してきた「ITトレンド2020」。第3回は、「DARQ」です。
その昔、成長が期待される領域がSMAC(SMS、モバイル、アナリティクス、クラウド)と表現された時代があり、近年ではGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)という言葉も流行りました。
さて、DAQRとは何の頭文字でしょう?
2019年4月に、アクセンチュアが発表した「(Accenture Technology Vision 2019)が発祥とされるこの言葉は、Distributed ledgers(分散型台帳技術、ブロックチェーン)、AI、Extended reality(拡張/強化現実)、Quantum computing(量子コンピューティング)の頭文字を取っています。
さっそく「DAEQじゃないの?」というツッコミが入りそうですが、拡張現実・強化現実については、VR/AR/MR/SRの「R」を持ってきたのですね。今後、ビジネスに大きな影響をもたらす4大テクノロジーの総称です。
「アクセンチュアの見解」というわけではなく、27カ国・20業界の企業経営層やIT担当役員6672人に対するオンライン調査の分析がベースなので、リアリティがあります。
それぞれについて簡単に触れておきましょう。ブロックチェーンはお金やモノの出入りを管理する仕組みで、仮想通貨が話題にあると同時に脚光を浴びた技術です。
「分散型」の「台帳」であるメリットとして、「システムダウンが発生しない」「すべての参加者が内容を確認できる」「データの改ざんができない」といった強みがあるため、金融系のサービスやセキュリティ分野で引き続き活用される見通しです。
ルンバやアレクサが日常語となるほど既に浸透しているAIは、現在は人間が行っているさまざまな定型業務の多くを代行するといわれています。
2045年には、AIの能力が人間の知能を超えるシンギュラリティが起こるといわれていますが、これから数年は「テレワークが急速に広がる中で、社会システムやビジネスのルールとフローが変わり、AIに託す領域が広がる」のではないかと思われます。
「拡張現実・仮想現実」の技術は、現実の映像や過去の映像と仮想空間を組み合わせて新たな体験をもたらすことができ、映像系コンテンツ、ショッピング、旅行など多様な業界で、サービスやプロモーションのあり方を変えると期待されています。
量子コンピューティングは、さまざまな計算を飛躍的に速めるテクノロジーとして注目されています。導入されると、金融、システム開発、化学、医療・健康、交通、製造業などの多くの分野でサービスの質や研究開発のスピードが向上します。
ハードウェアの開発や量子コンピューティング自体の技術革新が進めば、自動運転車の最適配置や工場の人員シフトなど、膨大な計算が必要となる領域の効率化が進むといわれています。
以上が、DARQの現状です。
対抗して、4文字のトレンドワードを作ってみました。「TARM」。タームと読んでください。テレワーク、アルコール消毒液、レムデシビル、マスク。「Withコロナの必須アイテム」です。
…あまりITっぽくないですね。失礼しました。次回のITトレンド紹介は、「メディア・コンテンツ編」です。