AI&IoTインフラの成長を支える 「アクセラレーテッドコンピューティング」に注目!
アクセラレーテッドコンピューティングをご存じでしょうか。
AIやIoT関連の製品・サービスが増加し、高速計算処理のニーズが高まった2017~2018年から話題になり始めました。
簡単にいうと、一般的なCPUだけでは抱えきれなくなった特定の計算処理を、GPUやFPGAといった特殊なIC(集積回路)で高速に処理する仕組みです。
2018年9月に「IDC Japan」が発表した予測によると、アクセラレーテッドコンピューティング市場の2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は13.2%。2022年には、978億円の市場規模になると試算されています。
より伸長するといわれていたのは、プライベートを含むクラウド向けで、IoTサービスの多様化やAIの進化に伴い、投資対効果に見合ったアクセラレーターが提供されるといわれていました。
2020年になっても、アクセラレーテッドコンピューティングは順調に浸透し続けています。
最大のポイントは、AIの用途が広がり、求められるレベルも高まっていることです。大量の情報を解読する必要がある医療やバイオテクノロジーの世界におけるAI開発は、複雑なタスクは得意ながらも逐次処理しかできないCPUではオーダーに応えられません。
高速計算や、大容量の情報の並列処理を求める場合はGPUが必要となり、機械学習に特化したプロサッサであるIPUも進化しています。
GPUサーバーのニーズは、AIにおける機械学習やディープラーニングに留まりません。
科学技術分野で膨大な計算を行うスーパーコンピューター(スパコンですね)に取って代わるプライベートのハイ・パフォーマンス・コンピューティングや、映画製作や各種エンタメコンテンツにおけるレンダリング(画像・映像・音声の生成)などにも活用されています。
新しいところでは、テレワーク関連の環境においてもGPUが軸となる技術と考えられているとのこと。
元々は、画像処理が多い3D-CADのソフトウェアをVDI(仮想デスクトップ)で起動させるために使われていたのですが、最近は一般的なVDIでもCPUよりGPUという流れになっているようです。
FPGAが活躍し始めているのは、Fintechが推進されている金融業界や、高速・大量の情報を処理するデータセンターなど。高速・低電力、短時間のデータ処理、専用プログラムの書き込みなどができるのが強みです。
AIやIoT、ビッグデータ活用は今後もニーズが増える見通しで、アクセラレーテッドコンピューティングの重要性はますます高まりそうです。
IT業界の進化のスピードは、ホントに速いですね。われわれの脳内CPUも、できるだけ早くFPGA化させる必要がありそうです。