令和に求められる「IT人材」のプロフィール①最先端人材
IoT、セキュリティ、AI、ビッグデータ活用、5G…IT業界における技術革新のサイクルが加速しているなかで、求められるエンジニアの人物像も様変わりしています。
2019年6月に「IT人材白書2019」をリリースしたIPA(情報処理推進機構)は、イノベーションを生む企業文化・風土を創出できる人材が重要になるとレポート。ここ数年の傾向として、「IT企業からユーザー企業への人材の流動化が高まっている」と指摘しています。
求められる人材は、大きく分けると2つのタイプに集約されます。
冒頭で挙げたような最先端技術(=人材不足の領域)を追求するハイエンドのエンジニアと、マーケティングや事業企画など、技術をベースにしたビジネスの価値を高められるプロジェクトマネージャーです。
両軸ともに人材が不足しており、IT企業もユーザー企業も採用だけでは適切な人材配置ができない状態に陥っているようです。今後は、適材をいかに育成するかが重要なテーマとなります。
エンジニアの目線でこの状況を俯瞰すれば、自身の価値を高めるチャンスがさまざまな分野に存在するということになります。
最もわかりやすい価値は、「最先端技術に関する知見やノウハウを持っていること」。加えて求められる資質として、「変化に対する耐性の高さ」「リスクをとってチャレンジできる姿勢」「前例にとらわれず、物事をフラットに見られること」が挙げられます。
IT人材がユーザー企業に流れているという状況は、いい方を換えれば、ITの内製化が進んでいるともいえます。
ビジネスの価値向上を期待されるマネージャーは、技術を理解・評価できるだけでなく、自社のIT関連業務の定型化、組織作り、採用戦略や育成モデルの設計・運用、ひいてはカルチャーの構築に主体的に関与することを求められます。
部下に仕事をまかせ、成長を促すだけでなく、自社に必要な技術の導入や採用・人材育成の方向付けまで担えるマネージャーは、デジタル革新に取り組む全ての企業で重宝されるといっても過言ではないでしょう。
2019年3月に、経済産業省が発表した「IT 人材需給に関する調査報告書」によると、受託開発や保守・運用など従来型のITサービスに携わる人材は、2030年に10万人の余剰が発生するとのこと。
一方で、IoTやAIに関わる先端人材は55万人不足すると試算しています。こちら側の岸に留まるか、向こう岸をめざして泳ぎ切るかで、ITエンジニアのキャリアは大きく変わってきます。
やりたいことができる環境や、新たな価値を生み出す仕事を求めている人は、「最先端技術+α」をめざしてみてはいかがでしょうか。