徐々に増加するNISA 投資家
NISAといわれても、ピンとこない方もいらっしゃいますよね?
これは、年間100万円までの新規投資を上限として、
株式や投資信託の配当金や売買で得られるお金が非課税になるという、
個人投資家にとって、とてもお得な制度なのです。
さて、前回までのコラムでは、1月にNISAが開始されて、
金融業界に起こったさまざまな議論をレポートしました。
今回は、スタートから半年で、NISAがどのくらい使われているのかを
紹介したいと思います。
■NISA半年
日本経済新聞社が、7月25日の朝刊で、証券会社主要10社に対して
行った聞き取り調査の報告をしていました。
6月末までで、
NISAの口座開設者は363万人。
実際に取引した人は105万人で、ひとり平均66万円の投資が行われ、
全体で、約7000億円の個人マネーがNISAに流れているそうです。
現在、投資している人がいつ始めたのかを割合でみると、
NISA開始1か月にあたる1月末までに始めた人は全体の17%。
2月~3月末までが24%。4月~6月末までが29%。
スタート当初の勢いは落ち着いたものの、
制度の存在が知られるようになって、口座の稼働率は徐々に上昇。
1口座あたりの投資額も、3月末の62万円から現在は66万円に増加し、
投資を始めた人が、
その後も 株式や投信を少しずつ買い増している のが伺えます。
NISAは、年間100万円までという上限があるので、
年末に近付くにつれ、非課税枠を使い切ろうとする人も増える見込み。
「貯蓄より投資の方がいいかも…」と迷っている方は、
思い立ったらすぐ始められるように、
まずは口座を開いておくのもいいでしょう。
■制度の理解を
ただし、使うときは、制度の中身をしっかり理解しておきたいもの。
勘違いしやすい例として、
「未使用の枠を翌年以降に持ち越せる」
「株式を売却すれば、その年の非課税枠が増える」
といったことがあります。
NISAはあくまでも、毎年100万円までの新規投資分の利益のみが
非課税となる制度。枠の繰り越しや増減はできません。
使う前に制度の内容をしっかり理解して、上手に活用してくださいね。