ビジネスメール書きくらべ(第2回)依頼のメール
こんにちは、グレイテルです。
この特集は、システム開発部門女子と管理部門男子に、共通のシチュエーションでメールを書いてもらい、部署※や性別による違いを検証しようという企画です。
さて今回は何が見えるでしょうか?
※「ソルクシーズ」の部門情報はこちら。
*********ミッション*********
機器販売部門の担当者となって、主にお客様やメーカーに対するメールを書いてください。
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機器販売部門というのは、以下の図のようにお客様とメーカーを仲介する立場です。
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<ミッション№2>
依頼のメール (メーカー宛て)
自分:XYZ株式会社 野村 (OA機器の販売会社 営業部 担当)
宛先:BBB株式会社 松本 (PCメーカー 営業部 担当)
趣旨:特価見積依頼
背景: ノートPC10台の特価見積を依頼する。
希望価格は1台当たり通常価格9万円のところ8万円以下。
スペックの詳細はファイル(PCスペック.xlsx)を添付する。
明日中にお客様(株式会社AAA)に提出しなければならない。
このお客様は、前回BBB株式会社による納品ミスで
納品完了が大幅に遅れて迷惑をかけているので当社としては信用を取り戻したい。
なお、メール本文にはスペック詳細の記入は不要とする。
■システム開発部門女子■
件名:特価見積依頼の件
BBB株式会社 営業部
松本 太郎様
いつも大変お世話になっております。
XYZ株式会社、野村 花子です。
早速ですが、先日納品遅延が発生しました取引先様が下記の貴社商品について購入を検討しています。
下記の内容で、お見積書をご送付下さいますようお願い申し上げます。
記
1、品目: ノートPC
2、数量: 10台
3、納期:平成26年12月16日まで
4、希望金額:8万以下/1台
スペックの詳細は、添付ファイルをご参照下さい。
至急で申し訳ないのですが、以上のご事情も合わせまして、明日までにお見積をいただきたく存じます。ご多忙中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
(※1)
■管理部門男子■
件名:お見積書作成のお願い
BBB株式会社
営業部 松本 様
平素は格別のお引き立てを賜わり、厚くお礼を申し上げます。
XYZ株式会社 営業部の野村です。
さっそくですが、ノートPC10台のお見積りをお願い致します。
スペックの詳細は添付ファイルをご参照ください。
なお、価格についてですが、1台当たり8万円以下でお願いできませんでしょうか?
取り急ぎ、ご依頼まで
以上、宜しくお願い致します。
(※1)
☆今回のアハ!ポイント☆
実は今回のミッションには隠しポイントがありました。
「前回BBB株式会社による納品ミスで納品完了が大幅に遅れて迷惑をかけている」
という部分をどのように処理するか、というところです。
さてさて…?
お、今回の野村さんはカラーの違いがはっきり見えましたよ!
まずシステム開発部門女子の場合。
箇条書きを使って注目すべき個所が目立つように工夫されています。
そしてメーカーの過去の不手際を文章に埋め込んで、さりげなく強気な立場を示しています。
一方、管理部門男子の方は箇条書きを使わずに文章で通しています。
そしてメーカーの不手際については不要と判断して要件を短くすっきりと伝えています。
表にまとめるとこうなりました。
表: メールの比較
以上から、今回は部署による違いに注目しました。
システム開発部門女子の特徴は「箇条書き」と、指示になかった「”納期”の明記」です。
仕様書作成などで、細かい条件を箇条書きすることに慣れているのでしょう 。
それから開発といえば”納期”が明確ですよね。
だから”納期”の追記が自然とできたのではないでしょうか。
一方、管理部門男子は、口頭で伝える機会が多いので文章のみになったようです。
メーカーの不手際についてはあえて触れず、特に希望価格のところは「お金の話は遠巻きに表現するのが礼儀」という考え方のもと、控えめな言葉でやわらかく伝えたかったという書き手の気持ちが出ていますね。
管理部門男子の締め言葉がシンプルなところを除けば、むしろシステム開発部門女子の方が男らしさを感じました。言うべきことは言わねば!という状況になることが多いのかもしれません。
今回は無事「部署による違い」を発見できました。
まだ2回目ですが、メールが届いてみないとどんな記事になるかわからないドキドキ感が快感になってきました。
次回「第3回:アポ取りのメール(お客様宛て)」もお楽しみに!
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※1 ビジネスメールでは通常「署名」を付けますが、この特集では省略します。