そるくんの知らない世界

第6回 そるくんの知らない「パラリンピック」の世界【後編】

ソルクシーズのキャラクターとして博識になれるよう、ボクが「あれ?」って不思議に思ったことを深く勉強していくこのシリーズ。第6回目は、そるくんの知らない「パラリンピック」の世界【後編】。

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前編】では「パラリンピック」の名前の由来やシンボルマーク、歴史についてお話してきました。

 

この【後編】では、「障がいの種類による壁」「パラリンピックだけにある競技・ルール」「パラリンピアンをサポートする器具」などのお話をしていくソル。

障がいの種類による壁

1964年の東京パラリンピック大会は2部式で行われたんだよ。

第1部は、 「ストーク・マンデビル大会」として、参加者は全世界から集まった。ただし、車いす使用者のみに限定されていたんだ。

日本では、車いすを使用しない肢体不自由者や、視覚や聴力に障がいを持つ選手のスポーツ大会も盛んだった。そこで第2部として、それらの選手も参加できるようにしたんだよ。でも、これは日本選手のみで行われた(ドイツからの招待選手含む)。

車いす使用者だけでなく、視覚障がい者や四肢切断の選手たちもパラリンピックに参加できるようになったのは、1976年 カナダ・トロント大会から。冬季は同年スウェーデン・エーンシェルドスピーク大会から。

参加できる障がい者は「肢体不自由者」「視覚障がい者」、一部の「知的障がい者」で、「聴覚障がい者」は含まれない。

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ここでTOKYO2020の種目と競技数をご覧に入れるね。

・オリンピック 33競技 339種目
・パラリンピック 22競技 539種目

オリンピックと比べると、パラリンピックは競技数は少ないけど種目数が多いことに気づいた?その理由は、障がいの種類や度合いにより、細かくクラス分けされているからだソル。

どのように分けたら不公平でなくなるか?クラス分けルールを決めるのは難しいんだそう。

バスケットボールなどのチームスポーツでは「持ち点制度」が取り入れられている。これは、障がいレベルの重い者の順から1.0-4.5の持ち点をつけ、コート上の5人の持ち点の合計が14.0を超えてはならない、とするルール。

このルールを利用してチーム編成や戦略を考えたりするんだよ。

オリンピック競技でも、背の高さやフィジカルの強さでマッチアップの戦略を考えたりするから、チームプレイの考え方は一緒だソル。

パラリンピックだけにある競技や特別ルール

パラリンピックだけにある競技を紹介するね。

・「ボッチャ

白いボールをめがけて、自分のチームの色(赤もしくは青)のボールを投げている映像を、パラリンピックを応援するCMなどで、見たことがあるかもしれない。

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重い障がいがある人たちでも楽しめるスポーツとして広がり、1984年のニューヨーク/ストークマンデビルパラリンピック※ から正式競技になりました。
(※アメリカ:ニューヨークとイギリス:ストーク・マンデビルで分離開催)

・「ゴールボール

パラリンピックにおけるチームスポーツで日本が唯一金メダルをとったことのある競技だソル。

視覚障がい者のためのスポーツで、「アイシェード」という目隠しをつけて、相手が投げた(転がした)ボールに入っている鈴の音や、相手の足音を頼りに、味方のゴールを守ります。

オリンピックにもある競技は、パラリンピックでも試合の進め方やルールは基本的には同じだけど、障がいによって守ることが難しいルールについては、工夫がされてるんだ。

たとえば、視覚障がい者が戦う「柔道」は、組んだ状態から始める。そのため、組手を争う時間がなく、いきなり技の掛け合いになることも多くて盛り上がる。

車いすバスケットボール」 では、ボールを持ったまま2プッシュまで車いすをこぐことができ、ダブルドリブルがないので、2プッシュのあとドリブルすれば、さらに2プッシュすることもできます。

ウィルチェアーラグビー」では、普通のラグビーでは禁止されている前方へのパスもOK。「車いすテニス」では、2バウンドでの返球OKだソル。

パラリンピアンをサポートする器具

前の項で紹介した、「車いすバスケットボール」「ウィルチェアーラグビー」だけでなく「車いすテニス」など、パラスポーツでは車いすが活躍していて、競技ごとに進化を遂げた形がカッコいいよ。

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陸上競技用(レーサー)」用の車いすの性能向上は目覚ましく、車いすマラソンの記録のほうが上になっちゃったんだよ。

ちなみに、「ウィルチェアーラグビー」は、ぶつかり合いでタイヤがパンクすることもあるんだって。そんなときコート上でメンテナンスできる時間は1分以内。F1のメカニックさながらにサポートスタッフがすばやく修理やタイヤ交換をする。

選手だけじゃなくサポーターも一丸となって戦うんだソル。

 

健常者と一緒に

パラリンピックでは、視覚障がいのある選手をサポートするため、サポーターの参加が認められている。

例えば、「自転車競技 B部門(Blind)」では、タンデム(=2人乗り)自転車の前に晴眼者(目が見える)が乗り、後ろに視覚障がい者が乗ります。

陸上競技」のマラソンでは、選手とひもを握りあい、声をかけながら走るガイドランナー(伴走者)を見たことがあるかもね。選手がメダルを獲得した場合、ガイドランナーにもメダルが授与されます。

トライアスロン」では、スイムからバイク、バイクからランへ、と変わるときにウェットスーツを脱いだり、靴を履いたりする過程をサポートするハンドラー(公認支援者)や、ガイド(視覚障がい者の伴走をする人)がいるんだよ。

選手だけではなく、周りでサポートするひとたちのことも一緒に応援したいソル。

 

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どう?パラリンピックって独自の競技やルールがあって面白いね。詳しくなって競技を見ればもっと楽しめるかも!

 

●参考文献●
『パラリンピックを学ぶ(平田竹男・河合純一・荒井秀樹 編著)』(東京 早稲田大学出版部)
『パラリンピックの楽しみ方(藤田紀昭 著)』(小学館)
『パラスポーツルールブック―パラリンピックを楽しもう(コンデックス情報研究所 著)、 陶山 哲夫 監修)』(清水書院)

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