そるくんの知らない世界

第2回 そるくんの知らない「バレンタイン」の世界

ソルクシーズのキャラクターとして博識になれるよう、ボクが「あれ?」って不思議に思ったことを深く勉強していくこのシリーズ。第2回目は、そるくんの知らない「バレンタイン」の世界。
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この時期、街はどこもかしこも「バレンタイン・フェア」。でも、ちょっと待って!そもそも「バレンタイン」って何のための行事だったんだろう?

・・・ということで、国ごとに違うバレンタインの贈り物や、その起源について調べてみたことを紹介するソル。

 

バレンタインの贈り物

日本では、バレンタインデーは女性から男性へチョコレートを贈って“愛を告白する日”ってことになってるけど、欧米では、贈るのはチョコレートとは限らないし、女性から男性への一方通行でもない。

特にアメリカでは、男性から女性へ、のイメージが強くて、しかも告白ではなく夫からとかステディな彼からプレゼントを贈ったり、プロポーズの日に選ばれることも。

プレゼントの品は、グリーティングカード、バラの花、ケーキ、アクセサリー、そしてカップルで外食するのが一般的。さらに、アメリカの小学校では、バレンタインデーにクラスメートへカードやお菓子を配る習慣があるとか。

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日本でも告白だけでなく、「義理チョコ」「友チョコ」、さらには自分への「ご褒美チョコ」って色々なバリエーションがあるけどね。

 

 

愛の守護聖人 : 聖者バレンタイン

バレンタインデーって、名前の由来となったキリスト教の聖者:バレンタイン(ワレンティヌス)の記念日じゃないの?って知っているひとはいるかも。

たしかにこの方は実在し、貴い行いをしたと言われているのですが、男女の告白や交際にはもともと何も関係ない。2月14日に殉教したため、のちにその日を「聖バレンタインデー」と呼んだだけ。

男女の出会いを作り出すイベントの起源は、紀元前まで遡る土着の祭りにあるようです。

代表的なものは、古代ギリシャの冬至祭:「デュオニソス祭」の流れをくむ、古代ローマの「サトゥルナリア祭」「ルペルカリア祭」。

北半球の「冬至祭」は、冬から春への季節の移り替わりを祝い、開放的な気分になることから性的な無礼講が許されていたらしい。

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「ルペルカリア祭」は、元は「清めの祭」として年末に行われていたけど、改暦によって 2月15日になった。2月14日は前夜祭だね。

こうして“男女の出会い”の場や”カップル誕生“の役割を果たし、庶民の間で盛りあがっていた祭りだけど、キリスト教が勢力を増してくるのに伴い影響を受けるようになった。

紀元後に誕生したローマ教皇:ゲラシウス1世が「ルペルカリア祭」を禁止し、代わりに前日を「聖バレンタインデー」として制定。祭りを惜しむ人々を納得させるために2月14日に殉教した「聖バレンティヌス」伝説を持ち出したんだね。

 

宮廷恋愛で誕生した贈り物文化

その後、時代は進み11世紀以降の「十字軍遠征」。ここでキリスト教圏の人々はイスラム文化と出会うとともに、夫を遠征に送り出した婦人たちが、宮廷で華やかな恋愛ドラマに興じることになる。

このころ南フランスに生まれたトゥルバドゥール(吟遊詩人)と呼ばれる人たちの詩に、“婚姻外”の恋愛を賛美する内容があるんだって。

宮廷主催のイベントでは、貴婦人が心を尽くして接待をした。一番人気のイベント:「騎乗槍試合」の勝者には、花束やブローチなどが贈られ、ここからご贔屓(ひいき)の異性にプレゼントを贈る習慣が生まれた、という説があるんだよ。

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その後も、キリスト教に利用されたり、禁止されたり、カーニバル(移動祝祭日)と合体したり、、、という紆余曲折を経ながら、「バレンタイン」という名のついたイベントは現代まで生き延びるんだソル。

市民にとっては、土着の祭りのころから“カップル誕生”がイベントの中心となる関心事。「聖バレンタイン」を祀ることを隠れ蓑にして、エロス(通俗的な性愛)をよしとしない教会との摩擦を避けた、と言われています。

 

Love or Money? 資本主義発生以降のバレンタイン

「日本の“バレンタイン”って製菓会社の仕掛けでしょ」という意見もありますね。

実際、日本で初めてバレンタインチョコを発売した「モロゾフ製菓」の創始者の息子さんであり、チョコレート・菓子職人のお名前が“ヴァレンティン”だと聞くと、「う~ん、 “名前つながりの”プロモーションかな~」という気もしちゃうかな。

「恋愛資本主義」なる概念が、経済アナリストで文化論にも詳しい森永卓郎さんや、「電波男」の著者:本田透さんによって提唱されています。

でも学生時代に経験した「愛を告白していい日」のドキドキ感がよい思い出、という人も少なくないだろうし、イマドキの「友チョコ」文化も楽しそうだな、って思います。

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個人的には、
チョコレートを買うとき(お店の人 → 女性)は「資本主義(=お金との等価交換)」
なのに、
チョコレートを渡すとき(女の子 → 意中の男性)は「思いを込めた贈り物」
に変身する不思議を解き明かしたいソル!

バレンタインデーを「お祭りの営利プロモーション利用」と思うか「(恋愛に限定しないけど)愛情を伝えあう日」と思うか、、、。今年のバレンタインはどんな気持ちで迎えますか?

僕ももっと人気者になって、チョコレートいっぱいもらいたいソル!

●参考文献●
『バレンタインデーの秘密 愛の宗教文化史(浜本隆志 著)』(平凡社)

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