第3回 そるくんの知らない「元号」の世界
ソルクシーズのキャラクターとして博識になれるよう、ボクが「あれ?」って不思議に思ったことを深く勉強していくこのシリーズ。第3回目は、そるくんの知らない「元号」の世界。
5/1の新天皇ご即位に先立ち、新しい元号が4/1に発表される予定(新元号が始まるのは5/1)。
元号、、、日常生活では和暦っていうことのほうが多いかもね。
「えーっと今年は和暦でいうと何年だっけ?」「西暦と和暦の変換、めんどくさーい」と思うかもしれないけど、和暦(元号)だと「だいたいあのころ」って思い出すのに便利なときもある。
歴史の教科書に載っている有名なイベント(?)に元号が使われていることも少なくない。
有名なところでいうと「大化の改新」、「応仁の乱」とか、近いところでは「明治維新」「大正デモクラシー」など。
今回はそんな元号の世界を勉強してみたソルっ。
元号の歴史
世界最初の元号は、紀元前140年に中国・漢(前漢)の武帝が号した「建元」だと言われている。
その後、その風習(?)は近隣諸国に広まっていき、日本にも伝播した。
日本書紀によると、日本最初の元号は「大化(645~654)」。その後「白雉」「朱鳥」という元号が使われたんだけど一般にはほとんど知られておらず、法的に定められたのは、701年 「大宝律令」による「大宝」なんだソル。
その後、元号が並立する「南北朝時代」という特殊な時代などもありながら、現代まで元号の歴史は脈々と続いている。すごいね。
改元に関するルール
元号を変えることを「改元」という。今回は天皇の代替わりによって元号を変えるよね。「ひとりの天皇」=「ひとつの元号」、って思ってるけど、実は過去にはいろんなタイミングで変わったことがあったんだよ。
・天皇の代替わり
のほかに
・祥瑞(喜ばしい前兆)
・天変地異、疫病、兵乱の多発、彗星が現れたとき
・讖緯(しんい)説に基づく「辛酉革命」「甲子革令」
・室町以降、将軍の代始
南朝、北朝がそれぞれ天皇をたてて争っていた南北朝時代に、後醍醐天皇は8回も改元しているんだソル。
時は流れて、明治時代の「太政官布告」により「一世一元の制」が定められ、天皇が代替わりしたときのみ元号が変えられることになった。
その決め方は、昭和54年「元号法」で
・元号は政令で定める
・皇位の継承があった場合に限り改める
と定められたんだよ。
元号決定のプロセス
元号は、天皇から下命された識者などが案を上申したり、審議結果を奏上したりする等の手続きを経て決定されるんだソル。
「明治」という元号は、最終案3つの中から明治天皇(当時15歳)が籤(くじ)で選ばれた(!)というようなことが『明治天皇紀』に書かれていて、このような決め方は、後にも先にもこの時だけとのこと。
また「大正」改元の際には、ほかに「乾徳」「永安」「昭徳」「天興」「興化」などの案が出ていたんだけど、中国の年号として使われていた、宮殿名にある、などの理由でふるいにかけられたのちの3案が、枢密院の審議会・本会議を経て天皇に上奏され、最終的に「大正」に決定。
「昭和」改元の際に首相に提出された案には、宮内庁からの「昭和」「神化」「元化」3案に加え、内閣案の「立成」「定業」「光文」「章明」「協中」という文字があったんだって。
そして、その発表者(と会見の様子)とともに記憶に新しい「平成」改元。検討中に小渕官房長官(当時)が有識者会議で配った封筒には、「平成」「修文」「正化」の3つの案が入っていたそうです。
大胆予想!新元号
ここで、そるくんが新元号(で使われる漢字)を大胆予想しちゃいます。
まず、ひらがなにして読んだとき、M,T,S,H以外のアルファベットで始まること。
これはすごくシステム的な発想なんだけど、年号を表すデータや公的書式で、明治(M)、大正(T)、昭和(S)、平成(H)と文字がカブったら混乱するから。
ということで、そるくんは予想してみました。
「Kもしくは母音(あいうえお)で始まる」読み方ができる漢字。
さらに一番大事な“意味”を踏まえて、以下の4文字を予想。 2文字の組み合わせではなく、どれか1文字だけでも当ったらいいな~、という「単勝」ねらい(笑)だソル。
・ITを始めとした先端技術で未来が広がるように【開】
・事件や自然災害があった平成から一転し、喜びの多い時代にしたい【悦】
・平成天皇の「永久なる平和」を願うお気持ちを継いで【久】
・元号候補になりやすい漢字※ のうち、母音の”あ”で始まる【安】(過去に25回候補となる)
※ 過去に多く候補になった漢字( )内は候補となった回数:徳(55)、天(40)、建(29)、永(33)、長(33)、文(31)、和(30)、万(28)、大(27)、仁(26)、嘉(26)、元(26)
でも、実際の元号選定のプロセスでは、このように1文字ずつ”いいかんじ”の漢字(シャレです。笑)を選ぶのではなく、「典拠」(出典)を提示できないといけないんだって。
そうしてピックアップした後も「すでに(中国等の外国含む、で)使われた元号ではないか」とか「特定の社名・地名・品名などとのカブリがないか」とかいろいろ調べなければならない。こちらの調査はコンピュータ(AI)の活用で今後は少し楽になるかもしれないソル。
カブりチェックはともかくとして、漢詩や日本の古書に造詣が深い、という方は、ぜひ元号予想にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
新元号発表(4/1予定)まであとわずか!
●参考文献●
『改元 年号から読み解く日本史(所 功 , 久禮 旦雄, 吉野 健一 著)』(文春新書)
※4/1追記:新元号は「令和(れいわ)」と発表されました。