若手システムエンジニアへのアドバイス~「先輩を選べ、外に出よう!」
決してお説教をしようということではないのです。若いシステムエンジニアのみなさんの中に昔の自分を見るようで、ときどき心配になり、おせっかいかもしれないと思いながらも声をかけたくなるのです。
特に気になるのは、「やりたいことをやらせてもらえない」などといいながらモチベーションを下げている不満たっぷりSEと、「先輩に教えてもらってがんばってます!」といった従順なタイプです。
両者に共通の懸念ポイントは、目線が内向きになっていること。今やっている仕事の枠組みでしか物事を考えられなくなっていたり、先輩SEの指示やアドバイスが絶対的になりすぎたりしていませんか?
不満をこぼす方の多くが、「やりたいことができない」「今、やっていることの意味がわからない」というのですが、ではやりたいことは?と聞くと、「多くの人に喜ばれるものを世に出したい」などという抽象的な答えが返ってきたりします。
「世界が平和になればいい」というのと同じぐらい、ふわっとした「やりたいこと」は、そのレベルのままでは実現しないでしょう。
やりたくないことでもひととおりやってみて、いろいろなことができるようにならなければ、やりたいことは見つからないのです。ひとつひとつの仕事をできるようになり、視界が広がれば、それぞれの仕事の意味もわかるようになってきます。
システムエンジニアは、幸せな仕事です。開発をオーダーしてくれるお客様には、「必要最小限のお金で、よりよいものを作ってくれ」といわれるので、ムダな仕事を一切しなくていいのですから。
やりたいことができないのは、やりたいことがわからないから。意味がわからないのは、それぞれの仕事に対する理解が足りないから、というのが問いに対する答えです。
お客様やプロジェクトマネージャー目線に立ってみましょう。今、任されている仕事を悠々とこなす人には、よりレベルの高いことをやってもらおうと考えますが、きっちりできないのに不満をこぼす人に新しい仕事は頼めません。
優秀なシステムエンジニアといわれる人は、どんな仕事でも全力で結果を出そうと取り組んだからこそ、何でもできる人と評価されているのです。やりたいことをできるようになるために、誰もが通る道だと受け止め、完璧にこなせるようにしてしまいましょう。
現状に不満を持つなというのは、従順になれということではありません。2~3年めのSEの「現状」はとても小さな世界で、その外側にさまざまな世界が広がっているので、今を見つめてばかりいないで外に目を向けてほしいのです。
取り組んでいる仕事では、結果を出すべくお客様や上司・先輩の指示をよく聞き、システム開発に関する技術やノウハウについての必要な情報や最新ニュースは、ネットや雑誌をこまめにチェックしたり、セミナーに参加したりして、外部からもインプットするようにしてください。
視野が広がれば、おのずとモチベーションが上がり、今の仕事に文句をいっている場合じゃないと思えるようになるものです。
さあ、今日もお互い、がんばりましょう!