業務効率化・サービスレベル向上を考える「証券コンソーシアム」の取り組み
金融業界で働いている方や、証券会社のシステムやサービス開発に携わっている方でなければ、「証券コンソーシアム」といわれてもピンとこないかもしれません。2018年4月に、大手の証券会社やネット系企業を中心とした 35 社で発足した団体で、新たな金融インフラの構築を検討・推進することを目的としています。
取り組んでいるテーマは、「業界横断の基盤技術研究」「共通基盤構築の推進」「DLTや生体認証・AIなど先端技術の活用」と、業界全体を変革するような重要なものばかりです。
ソルクシーズが参加することになったのは2019年2月。現在の活動について、会社代表として参加しているKさんに聞いてみました。
「SBI Ripple Asiaが事務局となっている業界団体で、証券会社や関連するシステム会社など50社を超える企業が参加しています。金融業界の企業のシステム開発を手掛けているソルクシーズとしては、今後どんなシステムが主流になるのか、どんな変化が起こるのかを把握することと、技術の研究を共同で推進することを目的として参加しています」
ソルクシーズが加わっているのは、「共通事務ワーキンググループ」。証券会社の事務のフローやシステムを共通化できないか、業界内で同じルールを適用することで業務効率化が図れないかといったことについて意見交換を進めています。
「大手企業が採用したシステムを中堅以下の企業が踏襲するという流れになれば、より共通化が進むかもしれません(Kさん)」。
共通化というテーマでは、事務作業だけでなく個人情報管理についても興味があるそうです。
「インサイダー取引をはじめとする情報漏洩の防止や不正アクセス対策、証券取引や各種手続きにおける本人特定の仕組みなど、業界全体で技術に関する知識やノウハウを共有することで、安全性を高められるといった発想も重要だと思います」
参加するようになって間もないコンソーシアムであるため、現在はベンダーの意見をヒアリングするまでに留まっていますが、将来的には開発ノウハウに関する議論や共同研究などを行う機会が増える可能性があります。
金融系をはじめとする顧客のデジタルトランスフォーメーションを推進すべく、業務のスピード化、効率化と安全性を両立するシステム開発の今後を考えるソルクシーズとしては、
さまざまな企業の「今」がわかるコンソーシアムは貴重な場です。
「ディスカッションの雰囲気を感じられるだけでも得られるものが大きい」と語るKさん。証券コンソーシアムの今後の発信に注目しましょう。