先端技術を支える人材を育てる「Beyond Blockchain テクニカルプログラム」の取り組み
2017年10月に発足した「Beyond Blockchain テクニカルプログラム」(以下、BBCプログラム)は、ブロックチェーンや仮想通貨など金融系の最先端テクノロジーの技術者養成を目的としたプログラムです。
設立したのは、SBIホールディングスと子会社のSBI Ripple Asia。技術者不足が叫ばれていた当時、各社が自前で人材育成するよりも、さまざまな領域でシステム開発を行っている企業が、共同でスペシャリスト養成を推進したほうが効果的と考えたのがプロジェクト化のきっかけでした。
NTTコミュニケーションズ、セコム、日本アイ・ビー・エム、日本ヒューレット・パッカード、日本マイクロソフト、野村総合研究所などの企業とともに、ソルクシーズも設立当初からの参画企業として名を連ねています。プログラムに参加しているTさんに話を聞いてみました。
「最初は、ブロックチェーンとはどういうものなのかというテーマで、情報共有と意見交換をするところからスタートしました。
ネットワークを介した複数のコンピュータで行う分散処理は、仮想通貨やIoTと相性がいいといわれていたのですが、それら以外にも活用できる領域があります。例えば分散台帳技術という捉え方をすれば、メガバンクの巨大なシステムを効率化するという役割を担える可能性があったりするわけです。
ソルクシーズとしては、基本的な理論学習もさることながら、エンタープライズの分野における適用事例や実践的な活用ノウハウを吸収できるのが、BBCプログラムの魅力のひとつですね」
カスタマー向けのサービスでは、マイクロ保険や個人間のお金の貸し借りなど。金融系のシステム以外では、ゲームのプログラムにおける負荷分散、動画や映画などのコンテンツサービスで権利関係の処理を担わせるなどのニーズもあります。
医療分野ではゲノムデータのセキュアな保管、教育においてはeラーニングのリアルタイムプログラムとオンラインサポートで活用できるといわれています。
金融業界のシステム開発を多く手掛け、近年はIoTやFinTechサービスも展開しているソルクシーズにとって、ブロックチェーンを今後どういう形で活かせるのかは重要なテーマ。
Tさんは、「BBCプログラムとしては、ベンダー企業と実証実験をやっている会社がつながるとおもしろいと思っていますが、ソルクシーズにとっては、技術者の知見を高められるのが、さまざまな企業と交流する意義だと思います」と未来に目を向けています。
今後も、BBCプログラムに積極的に関わっていくとのこと。新たな取り組みを伝えるニュースを楽しみに待ちたいと思います。