続けられる地球貢献「SDGs」の身近な取り組み【後編】
前編に引き続き、「IT関連企業とシステムエンジニアが貢献できそうなSDGsの目標とターゲット」について紹介しましょう。
まずはおさらいです。「エス・ディー・ジーズ」、すなわち「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」は、貧困・飢餓の撲滅や健康・福祉・教育の浸透、産業と技術革新の基盤づくり、住み続けられるまちづくりなどが掲げられた世界の共通目標。
17のゴールの下に169の具体的なターゲットがあり、それぞれの国で継続的に取り組める施策を検討・推進していくことになります。
(※国際連合広報センターが提供しているロゴをガイドラインにしたがって使用)
前回は、IT技術が重要になりそうな目標として「質の高い教育をみんなに」「「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」をピックアップしました。
後編で最初に挙げたいのは、目標8の「働きがいも経済成長も」に紐づく以下のターゲットです。
8.2「高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する」
8.3「生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する」
8.9「2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する」
8.10「国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する」
成長戦略として強力にFin Techを推進しているソルクシーズグループとしては、金融業界・サービスにおけるアクセシビリティ改善は重要なテーマとなりそうです。
業界特化の生産性向上を促すシステム開発やコンサルティング、都市と地方をつなぐネットワーク強化とIT人材育成も、新たな技術が活かせるテーマです。
さらに目標9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも、IT関連企業における技術やサービス開発が主軸となりそうなターゲットが置かれています。
金融システムにおいて日本は先進国とはいえず、研究開発費でもアメリカや中国に大きく水を空けられていますが、AIや5Gなどの新しい技術やインフラが浸透していくなかで、国際競争力のあるシステムやサービスの開発が求められていくことになります。
9.3「特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する」
9.4「2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う」
9.5「2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる」
※ターゲットの文言はすべて「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(外務省仮訳)より引用
SDGsが掲げるすべての目標とターゲットについては、ユニセフの公式サイトをご確認ください。
多くのテーマでIT技術が活用されるのは間違いなく、システムエンジニアの知識・ノウハウと人間力が、より必要となる時代になっていると実感します。国を超えた共通の目的達成に向けてがんばりましょう!