あのガートナージャパンが緊急リリース!「コロナウイルス対策でCIOがすぐに行動すべき16項目」【前編】
IT業界を軸としたリサーチ&アドバイザリー企業のガートナーが、コロナウイルスの感染拡大に伴い、さまざまな対応を迫られている企業に対して緊急提言をリリースしました。
企業のCIO(情報戦略の最高責任者)がすぐに行動するべきと銘打ったチェックリストは、「リモートワーク」「IT戦略」「IT投資」「IT部門員」という4つのチャプターに分かれています。
それぞれに、4つのチェック項目が収められており、トータルで16。さっそく、ガートナージャパンのサイトを開いて、最も緊急度の高い「リモートワーク」から見ていきましょう。
「リモートワーク」推進における重要なポイントとして挙げられているのは、「必要な予算を確保して、リモートワークを推進しているか」「システム環境は整っているか」「運用環境の選択肢を用意したか(勤務時間、勤務場所、勤務形態)」「人事規定を確認し、変更したか」。
ここで押さえられている重要な要素は、社員の健康と安全を守るのはもちろんですが、「企業としての利益やリスクが考慮された中長期的な視点でプランニングされているか」です。
コロナウイルス対策に期限があれば、緊急避難的な対応で乗り切るという選択肢もあるのかもしれませんが、現状からは収束する時期を想定することができません。長期化した際にも、コストや生産性の観点でリスクが少ない適切なプランを設計する必要があります。
また、これを機会として、全社的にWeb会議や無訪問営業にスイッチする企業もあるかもしれません。あるいは、特定の部門のリモートワークをさらに推進するという判断もありえるでしょう。緊急度と重要度をかけ合わせながら、優先順位の高い施策から着手できるかどうかが問われています。
「IT戦略」においては、「非常事態における事業継続管理プログラムを準備したか、内容を更新したか」「企業全体の財務状況と資金面への影響を確認したか」「IT戦略の遂行で影響を受ける部分を特定したか」「IT戦略は期中に柔軟に変更できる状態になっているか」を押さえなければならない、というポイントが挙げられています。
日本企業は、非常事態に対する方針が既定されていない、あるいは不完全な場合が多いとのこと。緊急時のガバナンスが不明確で対応が後手にまわったり、目先のリスクに捉われてIT戦略がないがしろにされたりするケースもあるようです。
ガートナージャパンのアナリストでバイスプレジデントでもある藤原恒夫氏は、「リモートワークについていうと、今回のパンデミックは、日本でもデジタル・ホーム・オフィスの設置を促進することになる」と指摘しています。
CIOは、全社的に関係者を巻き込み、危機管理計画と事業継続管理プログラムの策定・点検を進めなければなりません。
「最初に関係者を全員揃えて情報共有、意志統一と責任の所在を明確にする」「予算、環境、ルールの整備を迅速に進める」といったあたりは、私たちが日ごろ進めているシステム開発のプロジェクトに通じるものがあります。
「コロナウイルス対策でCIOがすぐに行動すべき16項目」、後編は「IT投資」「IT部門員」の2テーマについて紹介します。