2020年にどこまで進化する?話題のテクノロジーの近未来予測~AI
話題になった当初は、「AI(人工知能)が浸透すると、人間の仕事が奪われてしまう」というネガティブな受け取り方もありましたが、さまざまなサービスにAIが活用されている現在は、進化についてポジティブに語られるようになりました。
「Google」「マイクロソフト」「「アマゾン」「アップル」「Facebook」「インテル」といったIT企業は、AIの技術を持つ企業を買収し続け、プラットフォームのユーザビリティやスマートスピーカーの機能向上を推進してきました。
最近では、「LinkedIn」や「セールスフォース」などビジネス系のサービスやツールを提供している企業、ファーストフードやコンビニなどの多拠点チェーンが、AI導入に積極的です。2020年のAI周辺では「店舗の無人化」が、大きな話題となりそうです。
2018年に登場したレジレスコンビニ「Amazon Go」は画期的でした。レジの待ち時間を排除した利便性の高さが評価され、店舗あたりの売上は従来のコンビニの1.5倍。2019年までに22店舗に増え、2021年には3000店を出店する予定だそうです。
日本でも、昨年よりさまざまな実証実験がスタート。JR東日本は、3月14日にオープンした高輪ゲートウェイ駅で、AI無人決済コンビニ「TOUCH TO GO」をオープンしています(コンビニオープンは3月23日)。
おりしも、コロナウイルスの蔓延が懸念されている中、リアル店舗における決済やコンシェルジュなどの無人サービスは、開発時の想像以上に需要が期待できます。コンビニに限らず、さまざまな店舗で実験的なサービスが展開される可能性があります。
この動きに5Gの導入が重なると、IoTデバイスの浸透が加速し、家電やビジネスツールにAIが搭載されているのは当たり前になります。音声認識の機能向上が進むと、人間のオーダーをどこまで精緻に理解し、照明や空調などの機器の連携に活かせるかがテーマになりそうです。
2020年は、スマートホームやスマートファクトリーのベースが確立し、建設、インテリア、家電などの業界の提携や総合化が進む年になるでしょう。
AIの急速な進化は、同時にセキュリティやモラルの問題解決の重要性も高めています。スマートスピーカーのバグ改善、フェイク情報拡散の予防、個人情報のセキュリティ強化などを実現しなければ、大規模なトラブルによって顧客を失うサービスが続出してしまう可能性もあります。
AIに関する近未来をまとめてみるとこんなかんじ。「無人化によるサービスクオリティの向上と人件費の抑制」「IoTデバイスの進化に伴うトータルサービスの出現と業界再編」「悪用されるAI対策、セキュリティ強化」。
2020年は、人の手を介さないサービスが拡大し、身近になったAIを巡るカルチャーが確立される年になりそうです。