第4回:考察・オムニチャネル
■音楽ソフト購入者対象アンケート実施
今回は、日ごろ音楽ソフトを購入している方々にお願いしたアンケートから、
実店舗とオンラインショップをどのように使い分けているか、
お店(企業)に対してどんな要望をお持ちかを探ってみました。
ご回答くださった皆さま、あらためてご協力ありがとうございました。
■アンケート結論
集計結果から
○お店(企業)が発信している情報と、購入者が欲しいと思っている情報に差がある
○主に店舗で購入する人も、主にオンラインショップで購入する人も、
欲しい情報は共通している
という姿が見えてきました。
■主要項目分析
1. 音楽ソフトの購入場所
図1:音楽ソフトを主にどこで買いますか
主に店舗を利用する人とオンラインショップを利用する人が、
はっきり色分けされた結果となりました(図1)。
2. お店(企業)選びの基準
図2:どのような基準でお店(企業)選びをしますか(複数回答可)
<クリックで拡大>
購入者は欲しい商品の「取扱有無」と「在庫有無」を重視しています。
「支払金額」にも票が集まりましたが、それ以上に欲しい商品が“今”買えるかが
お店(企業)選びの重要基準になっています(図2)。
3. PR活動の利用度合い
図3:お店(企業)のPR活動を利用していますか
図4:PR活動の情報が購入のきっかけになりますか
各企業、様々な媒体でPR活動を行っていますが、
半数以上が「特に利用していない」と回答しています(図3)。
また、利用していると答えた人についても、
それらの情報が音楽ソフト購入に直結しておらず、
あくまでも参考程度の利用にとどまっています(図4)。
4. 提供して欲しい情報
図5:お店(企業)からどんな情報を提供して欲しいと思いますか
<クリックで拡大>
企業が発信する主な情報は「発売予定告知」と「入荷情報」です。
しかし購入者が欲しい情報は「在庫有無」と「キャンペーン告知」の二つ。
店舗購入・オンライン購入問わず、この二つを知りたいというのが共通した意見です(図5)。
■“オムニチャネル”考察
さて、企業様インタビューと、今回のアンケート結果を踏まえて
“オムニチャネル”利用の考察をしてみたいと思います。
インタビューとアンケート結果から浮かんでくるのは、
せっかくの企業努力が購入者に伝わっていないのでは?という疑問です。
例えばインタビューを受けてくださった企業様では、
Webサイトから希望商品の在庫確認ができるサービスを行っています。
また、メルマガ配信などのPR活動も行っており、「キャンペーン告知」情報の記載もあります。
しかし、主に店舗で購入している人はオンラインショップの
Webサイトをそれほど頻繁に閲覧しません。
またアンケート結果にもあったとおり、
メルマガなどのPR施策が購入者に活用されていない実態があります。
実施しているサービスが購入者に知られない・利用されないのは
非常にもったいないことです。
「売り手と買い手のすれ違い」を解消できれば、
○欲しい商品が“今”買えると伝えられる
(購入者の立場では、“今”買えるかどうかがわかる)
○「在庫有無」「キャンペーン告知」情報を提供できる
(購入者の立場では、情報が入手できる)
という点で、購入者の利便性が高まることは間違いありません。
つまり、
○“オムニチャネル”は購入者の利便性を考えると、非常に有効
○ただし売り手側の“オムニチャネル”への取り組みを、購入者に伝えることが必須
売り手も買い手も“オムニチャネル(すべての販売経路)”を上手に活用すれば、
双方にとって有効・有益な結果につながるのです。
―――――――――補足―――――――――
■アンケート方法
○実施期間: 2014年9月1日~10月3日
○実施方法: ・社内専用SNSでのアンケート協力呼びかけ
・弊社社員の知人(社外)にアンケート用紙をメールし回答を依頼
○回答総数: 29件