第5回 セミナー会場で目立っちゃう“メモ”術(情報収集1)
この特集では、企画スキルを向上させ、企画を生み出すために有効な方法として「マインドマップ」を紹介しています。
企画に必要なスキルの定義や、ノート術「マインドマップ」についての説明は、第1回記事をご覧ください。
第5回記事では、「情報収集」時に役立つマップの利用法を紹介します。
仕事における「情報収集」の方法はいくつかありますが、私はWeb閲覧以外だと、主に「セミナーに行く」「本を読む」で情報収集しています。
今回は「セミナー」のメモとしてのマップを紹介します。本のあらすじをマップ化した例は次回紹介します。
これは「グロービッシュ」※についてのセミナーを受けた時にかいたマップです。
※グロービッシュ:非ネイティブが国際ビジネスに適応する為に生み出され、近年注目されている英語の活用法。フランス人ジャン=ポール・ネリエールが提唱。少ない語彙(1500語)、平易な文法でコミュ二ケーションをとることが特徴。
右上の太い枝(メインブランチ)から右回りに見てください。
まず、冒頭の「自己紹介」で何を話したか、をメモしました。その後、2番目のメインブランチで「英語力」について、3番目のメインブランチで「Globish(グロービッシュ)」の定義をメモしました。
「英語力」の定義を例にとると、このメモを見るだけで
「英語ができるとはどういうことでしょう?テストの点数が高いこと?いえいえ、点数が高くても英語が話せないひとはたくさんいます。
日本人が“英語ができない”と思いこんでいるのは“単語を知らない”“間違いが恥ずかしい”という思いこみ(≒ハードル)があるからなのです」
と、講師が説明したような文章を【再構成】することができるのです。ちなみにこのマップをかいたのは、この記事を書いている今から2年以上前のことです。
図5-2 情報収集時【セミナー「アイエンガー」】
これは、『選択の科学』で著名なシーナ・アイエンガーさんの講演を聞きにいったときにかいたマップです。
このマップは正直言ってあまりよくかけていません。話の筋(講演全体の構成)が捉えにくく、メインブランチが上手に設定できませんでした。
マインドマップで他人の話のメモをとっていると、よく整理されているか、そうでないかというのがわかることが多いです。話があちこちに飛ぶとメモしづらいのです。
アイエンガーさんの話が整理されていなかったとは言い切れないのですが、この時の私はそのような印象を受けました。外国の方のスピーチの構成に私が慣れていなかった、ということかもしれません。
それでも、このマップの「セントラルイメージ」は気に入っています(アイエンガーさんの似顔絵を描きました)。
これは逆に、自分で「よくかけたな」と思っているマップです。海洋冒険家の白石康次郎さんの講演をお聞したときにかいたマップです。
白石さんがどんな体験や境遇をもとにして【海】に惹かれていったのか、【海】は彼にとってどういう存在なのか、【海】と付き合うときの注意事項 などをメモしています。
このマップを見ると、当日、涙ぐむほどに感動した気持ちが蘇ります。3 年以上前にお聞きした講演です。
第5回「セミナー会場で目立っちゃう“メモ”術(情報収集1)」いかがでしたか?
マップでメモをとると、驚くほど時間を置いてそれを見ても記憶が鮮明に蘇ります。他にもいいことがあります。それは、セミナー会場でマップのメモをとっていると【目立つ】こと。
隣の席の方に「それマインドマップですよね?」と声をかけられたのがきっかけで話が弾んだり、その後のお付き合いが続いたりすることもあります。講演者に「一生懸命メモをとっているな」という印象を与え、好印象をもってもらうこともできます。その結果、意外なオマケをもらえることも(笑)。
次回は「情報収集」時の活用事例(その2)として、本のあらすじをマップ化した例を紹介します。お楽しみに♪