銀のアンカー⑦
企業研究やSPIテスト対策やES(エントリーシート)の準備など、やることがたくさんあって大変なイマドキの就職活動。
「就活に役立つ本を読んだほうがいいかなぁ、と思うけど、選んでるヒマないよー!」というあなたの代わりに、編集長:れいが読んでみました。
本の中の「“気になった言葉”」「就活テクニック」「それらを企業側から見た感想」などを紹介します。それを読んでピピッと来るところがあったら、ぜひ紹介した本を読んでみてくださいね。
『銀のアンカー』⑦
三田紀房さん・関達也さん共著の“内定請負”マンガです。登場人物の説明、第6巻までの紹介は『就活応援的読書』特集ページをご覧ください。
漫画「銀のアンカー」より
※相関図イラストは菜緒さん編集部で作成しています
●「企業に自分を合わせろ」
今回も就活生の反発心をあおるようなことを言う白川。「そんなことをしたら自分を見失ってしまいそう」と不安になる就活生の夏美たち。
しかし、今まで就活に役立つ数々のアドバイスをくれた白川のことだから、何か意味があるのだろうと考える“白川塾”のメンバーたち。
メンバーのひとり:川上くんが、OBから「面接では“コイツうちっぽい”と思わせなきゃ」というアドバイスを受けた、と発言したことから、就活では相手に興味がある“価値”をまとって初めて存在を認められる、と気づきます。
その“価値”を見つけるためにする【自己分析】も白川流は一般的なやり方とは逆。
一般的には、「自分を知る ⇒ 合う企業を選ぶ」ですが、白川流は「入りたい業界を決め、その業界で求められる人材はどういう人材かを知り、それに自分を合わせる」という方法。
この方法に「就職するって、違う自分になれってことなのかな」と違和感がぬぐえない田中くん。
「企業(会社)に自分を合わせろ」という言葉は私でもモヤモヤしてしまう言葉です。ともすれば「出世か、個性の尊重か」という二者択一の考えに陥りそうです。
Boss※ どうですか?
⇒ 「誰も素のままではいられない。役を演じる、役に徹する、は必須。」
※Bossとは編集長:れいの上司。会社員生活35年。
●「つまり…仕事ができるってことは、マナ板の上の鯉になれるってことさ!」
相談しようと帰った実家で父が失業中であることを知り、その父から「就活、頑張れ。俺も頑張る」と言われて本気になった田中くん。「絶対につぶれない業界に就職したい」と宣言します。
しかし“絶対につぶれない業界”などありません。ではどうすればいいのか?
白川からは「どうすれば“究極の安定”を手に入れることができるか考えてみなさい」と宿題を与えられます。ゴチャゴチャ考えるよりまず行動!と、「電気に頼らない生活をしてみよう」とアパートのブレーカーを落としてみたり、あらゆる場所に自転車で出かけ汗だくになったり……。
そうして、必死になって物事に取り組む姿を夏美に「できる男っぽい」と言われたことから「究極の安定は、仕事ができる人間であるということ」という結論に達します。
「マナ板の上の鯉」云々は、田中くんと夏美が白川に誘われて参加したビジネスマンが集うパーティ会場で、白川がヘッドハントした人物から言われた言葉。煮ても焼いても、どういう調理法でも美味しくなれる食材になれ、という意味です。
私れいは、この会社に入社してから「事業本部」⇒「管理本部」⇒「営業本部」と働く場所を変えてきました。仕事もSEに始まり、新人教育担当をしたり、情報セキュリティコンサルタントをしたり……そして今は未経験からWebサイトの編集長、という経歴の持ち主です。
便利屋的な自分の立ち位置を「これでよいのだろうか?」と悩んだこともあります。しかしそのおかげで今では「どの部署で何の仕事をアサインされてもやっていけそう」という“自分に対する信頼”のような気持ちも芽生えてきました。
業務は変わってもずっと同じ会社に必要とされ続けている、これもひとつの【安定】と考えることができるかもしれません。
Bossどうですか?
⇒ 「衣食住の業界はつぶれません。会社はつぶれるかもしれませんが……。でも、そんなに今の若い人は安定が欲しいのですか?」
7巻の後半では、白川式模擬面接のマル秘アイテムが紹介されています。ぜひマンガで確認してみてください。
7巻の紹介はここまで。次回は最終巻:8巻の“気になった言葉”を紹介します。