寅さんも通った”学問と芸能の神さま”「小野照埼神社」
今年の初めに「(英語の)勉強、さらにがんばろう!」と気合を入れて「平河天満宮」にお参りしたわたくし:れいですが、夏休みモードを秋まで引きずって、このごろ少々勉強をサボり気味?
そんな自分にカツ!をいれることができて、もちろん「学業」に関するご利益があり、さらにカワイイ朱印がある、なんて都合のいい神社はないかしら、、、と探していたら、ありました!
ということで、今回は、「小野照埼神社」のご紹介です。
●小野照埼神社(おのてるさきじんじゃ)
・最寄り駅 – 地下鉄日比谷線「入谷」駅 4番出口から徒歩3分、JR「鶯谷」駅 南口から徒歩7分
・御祭神 –小野篁命(おののたかむらのみこと)
・御配神 –菅原朝臣道真命(すがわらのみちざねのみこと)
まずは、御祭神の小野篁命のお話から始めます。文学に詳しい方は、百人一首の詠み人(よみびと)としてその名前を聞いたことはあるかもしれませんね。
平安時代に実在した貴族で、文学の才能はもとより芸術のセンスもあり、長身で武芸にすぐれ、政治手腕も抜群!というスーパー・ヒーローです。また、その実務スキルを買われて、夜は閻魔大王の副官として働いた、という逸話があるほどの政務能力の持ち主。
この世とあの世をまたにかけて活躍した、と言われるほどのマルチな才能をもつ小野篁命が祭られたこの神社が、”学問と芸能の神さま”と言われれるのにはうなずけますね。
小野照埼神社は、小野篁公が亡くなられた後、地元の人々が上野照埼の地にお祭りしたのが始まり、という実に1100年以上の歴史を持つ神社なのです。現在の土地へは、「上野 寛永寺」建立の際(江戸時代)に遷祀※ されました。
※遷祀(せんし:神体をそれまでと異なる本殿に移すこと)
関東大震災や東京大空襲の際にも火難を逃れたため、境内には末社を含め、長い歴史を感じることができる「お社(やしろ)」「狛犬」「富士塚」「庚申塚」など、見どころがたくさんあります。
●境内の見どころ(末社いろいろ)
・「富士浅間神社(富士塚)」
天明年間(1782年・江戸時代)、富士山から岩石を運んで作られた富士塚。ふもとに浅間神社が祭られています。
毎年、6月30日・7月1日限定で、一般の参詣者が登ることができます。
・「庚申塚」
日本三大庚申というのがあるそうで、こちらはそのひとつ。他のふたつは「京都の八坂庚申堂」「大阪の四天王寺・庚申堂」です。
庚申信仰は、中国の道教を元にする信仰です。六十日ごとにやってくる庚申(かのえさる)の夜寝ている間に、人間の腹の中にいる「三尸(さんし)」と呼ぶ虫が、その持ち主である人間の悪行を天帝様に告げる、と言われていました。それを妨害するため、夜通し酒宴などをして虫を腹の中に収めていた行事がありました。
・「稲荷神社・織姫神社」
稲荷神社は、小野照埼神社が遷祀される前から、地主神として祭られていた古い神社です。昭和29年に織姫神社が合祀されました。
●ご朱印
日ごろも月替わりで美しい日本画の挿絵(カラー)をあしらった朱印がいただけるこの神社ですが、私が訪れた10月は、【令和特別朱印】として見開き・金文字の朱印をいただくことができました。
イラストが描かれたトレーシングペーパーをめくるとこんなかんじ。
しかも、この朱印は続き物となっていて、11月の見開き朱印とセットになっているそう。ううむ。来月もぜひお参しなくては!
●ご利益とお守り
タイトルの“寅さん”が気になっている方もいらっしゃると思うので、ご利益についてもお話しましょう。
実は、“寅さん”でおなじみの渥美清さんが、駆け出しだったころ「もっと活躍できるように」とこの神社に通って願掛けし、その直後に『男はつらいよ』の役を得た、と言われています。
神社のパンフレットには「国民的映画の主役の座を手に入れ」とだけ記載され、渥美清さんのお名前は明示されていませんが、知る人ぞ知るお話のようです。
私も「ますます仕事で活躍したい!」とお守りを買いました。こちらの神社では、センスがよくて女子ウケするお守りが揃っています。
『お守り2.0』というプロジェクトで、堀江貴文さんらとコラボした【最強の仕事守り】や、元アイドルグループの女性とコラボした【モテ守】などもありますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
●おまけ
最寄り駅のJR鶯谷駅(南口)からに向かうと、すぐにJRの線路を超える橋を渡ります。
実に10本もの線路が一望できます。線路が並んだ光景はターミナル駅などで目にすることができますが、ここの線路は微妙に段差をつけて並んでいるのです。
その眺めは、【鉄】でなくてもちょっとコーフン!
JRで向かわれる方は、参詣の際にちょっと足を止めてみてくださいね。