東の宰府“花の天神様”「亀戸天神社」の梅・牛・鷽(うそ)鳥
前回の「亀戸香取神社」から徒歩圏内にある「亀戸天神社」にもお参りしました。
天神様の総本社に当たる太宰府天満宮に対して、東の宰府として「東宰府天満宮」と呼ばれていましたが、今は「亀戸天神」として有名ですね。
私 れいも高校時代の部活で、先輩の合格祈願をしにチームでお守りを買いに行く、という伝統行事がありました。今も受験生が合格祈願に訪れるのは変わらず。あのころと変わったのは、境内からスカイツリーが見られることですね(トシがばれる~?)。
●亀戸天神社
・最寄り駅 – JR総武線 亀戸駅 もしくは 総武線、地下鉄半蔵門線錦糸町駅よりいずれも徒歩15分
・御祭神 – 天満大神(菅原道真公 すがわらみちざねこう)
昨年同じころに訪れた「平河天満宮」と同じく、学問の神様である菅原道真を祀った神社です。
学問の神様と言われるようになったのは、寺子屋が作られるようになった江戸時代。道真公が幼少期から詩歌に才能を見せただけでなく、官吏登用試験に合格するほど優秀であったことから。
天満宮(=天神さま)の3点セットと言えば、「梅」「牛」「鷽鳥(うそどり)」です。なぜその3つが関係深いのか、順に紹介していきます。
●梅
天満宮は、無実の罪で大宰府(九州)に左遷されて無念の死を遂げた道真公の魂を祀るために建てられました。
その死後に都に水害・干ばつ、飢饉や疫病が流行ったのを人々が「道真公の祟りだ」と考え、天変地異を引き起こす力を持つ=「天神」とも呼ぶようになりました。
道真公が梅をことのほか愛していたので、その魂を梅の香りで鎮めるため天神様には梅が植えられています。
令和の改元でがぜん有名になった大宰府の「飛梅」伝説について耳にしたことがあるのではないでしょうか?
九州の大宰府に追いやられた道真公が京の屋敷の庭木を思い出し
「東風(こち)吹かば にほひをこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春な忘れそ」
と詠んだところ、感じいった梅が道真を追って一夜のうちに太宰府まで飛んできた、というお話です。
亀戸天神では、早春の梅を楽しめるだけでなく、4月後半~5月初旬には「藤まつり」、秋には「菊まつり」が催されることから、「花の天神様」とも呼ばれています。
●牛
「平河天満宮」にもいましたね、牛。天満宮と言えば牛、なのは
・道真公が丑年生まれ
・京都から九州に向かう道中、白牛によって危機から救われた
・亡くなられた際、その車を引く黒牛がウンともスンとも動かなくなり、そこに天満宮を建てた
などの逸話があるからです。
●鷽鳥(うそどり)
菅原道真が蜂の大群に襲われた時、鷽(うそ)の群れが蜂を食べて救った等の逸話から、天満宮の守り神とされている鳥です。
天満宮には、鷽鳥をデザインした身代わり守があります(平河天満宮の鷽鳥をこちらでチェック)。
1月末には「うそかえ」という、前年に頂いた鷽鳥を新しいものに変えてもらう神事があります。前年にあった災厄・凶事などをウソ(嘘)とし、本年は吉となることを祈念します。
●ご朱印
●おまけ
亀戸天神のそばには、江戸時代(1805年)に創業し、芥川龍之介や永井荷風などの文人も訪れた『船橋屋』があります。
2018年のJR東日本おみやげグランプリで総合グランプリも受賞した葛もち。お店でいただくと、きな粉も黒蜜もたっぷりで贅沢な気分です。