東海道の第一宿(前編)

本コーナーも最終回。「散歩がてら史跡を訪ねる」体で、複数のスポットをご紹介する。
今回のよりみちスポット、テーマは“東海道の第一宿:品川”。

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JR田町駅西口から散策開始、目指すは『品川宿本陣跡』だ。国道15号(第一京浜)を品川方面に向かって出発する。

5分ほどで『札の辻』交差点。名称の由来は、ここに高札場(こうさつば)※が設けられていたことによる。東海道から江戸への正面入口で、1616(元和2)年には芝口門が建てられた。高札場も芝口門も後に移設されたが、地名※は今も残っている。

※幕府や領主が決めた法令などを木の板札に書き、人目をひくように高く掲げておく場所のこと。
※この場所は、高札場と芝口門の移設後は『元札の辻』と呼ばれたが、明治維新後、再び『札の辻』と呼ばれている。

01_札の辻 
<歩道橋を上ると東京タワーが真正面。>

『札の辻』から約10分、浅草線・泉岳寺駅のすぐ手前に『高輪大木戸跡』がある。大木戸とは江戸時代、街道上の江戸内外の境界に設置された簡易な関所のことで、門は朝6時から夕方6時まで開かれていた。

“お江戸日本橋七つ立ち”と俗謡(ぞくよう)にあるように、東海道の始点である日本橋を七つ(午前4時)に出発すると、ここに着くころ夜が明け、提灯の灯を消して大木戸が開く午前6時を待ったという。

東海道における江戸の「玄関口」として見送りや出迎えの人でにぎわった場所で、現在は木戸の形跡はないが、国の史跡に指定された重要な遺構だ。

03_高輪大木戸跡 
<二つあった石垣も現在残されているのは一つ。クリックで拡大。>

ここでちょっと脇道に入ると、曹洞宗の寺院『泉岳寺』が目と鼻の先だ。

04_泉岳寺 
<浅野内匠頭や赤穂義士らのお墓があることでも有名。>

もともと外桜田にあったが1641(寛永18)年に火事で焼失。将軍家光が毛利・浅野・朽木・丹羽・水谷の五大名に命じて、現在地に移転再建された。浅野家と泉岳寺のつながりはここから始まる。

後編に続く

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