キレイな英語発音指南 瀬谷結子さん(後編)
「The Bee’s Knees English School」代表の瀬谷結子さんに「キレイな発音で英語を話す」というテーマでお話をうかがっています。
前編はこちら
-発音がキレイだと、どんないいことがありますか?
キレイなフォームで泳げる人は、どんどん泳ぎたくなる。キレイなフォームで走れる人はどんどん走りたくなる。それと同じように、キレイな音が口から出せると、どんどん英語をしゃべってみたくなりますよね、きっと。
英語を正しく発音しようとすると呼吸量が多くなり声に深みが出るので、日本語で話すより説得力のある声が出せるようになります。表情筋もたくさん使うので、表情も豊かになり表現力も上がります。
また、深い呼吸をするためにおのずと首の後ろが伸びるので、姿勢や目線に変化が出てきて堂々と見えると思います。こうした効果が精神に与える影響も少なくはないと感じています。
私は「言葉にはエネルギーがある」と思っています。そしてあくまでも個人的な感覚ですが、positive な言葉に関しては日本語より英語の方がダイレクトに効くと感じています。これは非ネイティヴだからこそ、かもしれません。
たとえば、自分を鼓舞したいときに、「私には出来る!」と言うよりも、” I can do it! “と口に出す方がストンと響く、というような。英語の息、音で発すると、より positive になれる気がします。
-正しい発音で英語を話す効果として他に何かありますか?
先ほど出ましたが、英語を話すための体の使い方というのがあります。体の使い方が変わると心持ちも自然にpositive に変わりますよ。
30~40代は人生に変化が現れてきたり、役割も増えて責任を果たしたりしなければいけない時期だと思います。何かとストレスも溜まるでしょう。そんな時【英語を話す自分】というものを持つと、人生をコントロールしやすくなると思います。
「平日はオフィスワーカーだけど、週末は歌手なのよ」というのと同じように「実はEnglish speakerなのよ」というのも素敵じゃないでしょうか。
“ダイバーシティ” “グローバル化”というような言葉で、多様性への柔軟な対応が求められる時代が来ています。働く女性も切り替えスイッチを持ち、自分の中のいろいろな側面をコントロールできたほうがいいと思います。
-グロービッシュ※ についてどう考えますか?
(※グロービッシュ:非ネイティヴが英語でコミュニケ―ションするための“道具”としての英語。基本的な1500の英単語、平易な構文のみで表現するのが特徴。)
非ネイティヴの人々が英語でコミュニケーションする手段としてグロービッシュの考え方には賛成です。私の指導方針も、いきなり「ネイティヴ並みの発音を!」ということではなく「すべての英語学習者にコミュニケーションが成り立つ最低限の発音を!」ということなので、グロービッシュと思想的に重なる部分が多いと思います。
グロービッシュを推進されている方のご著書※ の中にも「発音にこだわりすぎない」と前置きした上で「はじめに発音の勉強をしておくことをおすすめしています。」と書かれています。
(※ 『非ネイティブのための グロービッシュ式らくらく英語勉強法 たった1500語で世界で話せる人になる! 』関口雄一 著)
続けて「もちろん、グロービッシュは完璧な発音を目指しませんが、発声の仕方やイントネーションを変えた途端に通じるようになる人も多いからです。(中略)発音が良くなればどんどん話せると思えるならば、 先に集中して発音を矯正するのも良いでしょう。」とあります。
気をつけなければいけないのは、lとrとか、bとvとか、最低限区別しなければならない音というのがあるということです。“ジャパニーズ・カタカナ・イングリッシュ”は、グロービッシュに届いていない、というのが私の考えです。
-“通じる発音”は、どれぐらいで身につきますか?
たいていの方は、1回目のレッスンで体や口・舌の使い方を頭で理解して、その場で正しい音を出すことができます。難しいと言われているrやlも発音できます。
ただし、常にその音を正しく発音できるようになるのは自主トレーニング量により個人差があります。大人の生徒さんの例を紹介します。1回40分の個人レッスンを受けていた方が、5回目ぐらいでグーッと変わりました。ご本人がその時「英語の音を出している“別の自分”ができました」とおっしゃっていました。
-ラストメッセージをお願いします
あなたはこのまま英語を話さない人のままでいますか?それとも英語が話せる人になりますか? Enjoy your life with English♪
通じる発音を身につけることで【英語が話せる自分】になるためのハードルがグンと下がります。「The Bee’s Knees English School」では、受講後に自力で継続可能なレッスンを提供しています。
*ご興味のある方は、Facebookページをご覧ください。