スキルUP指南 大司奈緒さん(前編)
編集長:れいが“輝く女性”たちに会いに行き、彼女たちの専門分野について教えてもらうこの企画。
今回は「7つの習慣(R)」「 定額研修制度トレセン」をはじめとする企業向け研修を企画・運営されているFCEトレーニング・カンパニーの大司さまに「研修の活用法」についてお話をきいてきました。
FCEトレーニング・カンパニー 大司奈緒(タイシ ナオ)さん
(インタビューに先立ち、「研修選びの悩み」について社員ヒアリングを実施しました。)
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-「研修選びの悩み」を見てどう思われましたか?
どういう研修を受ければいいのか、今の自分に何が必要なのか、という課題を見つけるサポートをするのが、研修会社として最初にしなければいけないことなんだな、と気づきました。
これホントに受講していいのかな?という不安もあることがわかりました。研修会社としては「この研修はあなたのためにあるから、出ていいんだよ」という雰囲気作りや伝え方が大事だと気づきました。
今までも定額制研修トレセンの会報誌に「オススメ研修情報」は出していたのですが、さっそくそこに「どういう人にオススメかを明確に入れよう」ということにしました。「(まさに今、自分が)こういうことを思っているな」とか「こういう状況だな」と感じたら「この研修を受講してみよう」ってきっかけになりやすいんじゃないかな、と大発見でした。
当社の研修講座を選ぶサイトでも「課題から探す」というところをみて、お問い合わせいただくことが多いんです。今の課題を見つけることが一番大事なのかな、と思いました。
-課題を見つけるためには、どうしたらいいですか?
課題を見つけるステップがあると思っています。
日ごろ「これ出来ないんだよね」「これ苦手なんだよ」「(やったことないから)どうしたらいいかわからない」という言葉を使っちゃう場面があると思います。そのときがチャンスです。
そういう言葉を自分が使ったなと思ったときに、もう一言「じゃあ、これができるようになるにはどうしたらいいんだろう?」とつけ加えてみるのが最初のステップだと思います。
短期的な課題はそれで見つかることが多いように思います。「できたらいいな」と思えることがあったら「そこを埋めるためには何が必要かな」という探し方です。
一方、中長期的な課題を見つけるには、ライフプランを考えるといいと思います。(仕事の)キャリアだけでなく家庭のことなども含めて考えます。「X年後にいい車に乗りたい」でもいいですし「そのために自分がどうなっていたい?」「仕事はどうなっていたい?」などと問いかけます。
それをするとイヤでも考えさせられます。5年後にこうなっていたいとしたら、3年後には?1年後には?じゃ、この数カ月どうしたらいいか、という風に。
しかし、自分もそういうことを問われる環境でなかった時は、考えているようで考え切れていなかったです。向き合うのはちょっと怖いですよね。わかんないし、不安だし。そこで悩むひともいるのかな、と思います。
そういうときは「キャリアプラン設計」というような研修にまず出てみる、というのも一つの方法だと思います。
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-他の出席者が気になる(どんなひとが参加するのかな?)という不安にはどう対処したらいいですか?
自分がどうなりたいのか?を考える時に「他人はどうなのかな」って本当は関係ない気がしますが(笑)、不安な気持ちはなんとなくわかります。
研修情報として参加者の年齢も提示できますが、あまり参考にならないと思います。その理由は、違う年齢でも組織内で要求される役割は同じだったりするので、あまり既成概念を持たないほうがいいからです。
参加者の職種や役職情報は参考になると思いますが、年齢情報にはあまりとらわれて欲しくないな、と思います。研修に1回出てみると「(同じ年齢でも)同じようなひともいるし、違うひともいるな」ってわかると思います。
参加者情報にとらわれないで受講されている講座の例として「ビジネスマナー研修」があります。この研修の参加者は通常
・女性、事務職、内勤、ビジネス経験が少ない
といった方が多いです。
しかし、最近は管理職の方の参加も増えました。その理由は
・マナーについてわかっているけど人に教えられない
・社内講師になるため
・凡事を徹底する、組織風土作りのリーダーとして
ということです。
また、研修プログラムを有効に活用されている会社様って、社内で研修のことを話題にされている機会が多いように思います。
たわいない会話でいいんです。「今日、あの人は研修に行ってるよ」とか、次の日に「昨日の研修でどんなことやったの?おもしろかった?」と聞いてみるのはいいことですね。
-研修を有効活用された方の事例を教えて頂けますか?
当社の研修を受けた女性のお客様(Aさんとします)で印象的なエピソードがあります。
Aさんは飲食業界で働いた後、派遣社員になり、その後正社員(事務職)になりました。新卒で入社していないため、ちゃんとしたマナー研修を受けていませんでした。社長からすると「なんでこんなミスをするんだろう?」という印象だったそうです。Aさんは当社のビジネスマナー研修を受けてくださいました。
数年後にAさんのお仕事ぶりをうかがったところ、うかつなミスが減っているだけでなく、周りからの信頼度が上がり、仕事をどんどん依頼されてしまうぐらいになられたそうです。「(Aさんの)電話対応がよかったので、契約を決めたよ」とお客様から言われることもあったとのことです。
そこで社長が「なんでそんなにミスが減って、仕事ができるようになったの?」と聞いたところ「これはトレセン※のおかげなんです」とおっしゃったそうです。
(※トレセン:FCEトレーニング・カンパニーの定額制研修サービス)
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Aさんは研修で知識を得た後、すこしずつ実践されていたのです。電話対応で3コール待たせて取ったときには、必ず「大変お待たせしました」と言う、とか。学んだことをすぐ実践するのは恥ずかしかったので、最初は周りに人がいないときにやってみていたそうです。
Aさんが成長した理由はそこだな!と思いました。「まず、やってみる」というのを何度かトライしていると「できた!」「前よりよくなった」という瞬間が必ず出てきます。それを1回感じさえすれば、実践することが楽しくなってくるのかな、と思います。
研修後に現場に帰って、小さな1歩をちょっとトライしてみる、次の研修で学んだことをまたひとつトライしてみる……ちょっとずつちょっとずつ積み重なっていきます。そうすると、上手くいかないことがあってもできることがあるから支えになります。自分で成功体験を積んでいくようなかんじですね。