セクシーなダンスでボランティア指南 Abeta Atsukoさん
今回は「自分も周りも幸せになるボランティア」というテーマで、ベリーダンサー:Abeta Atsukoさんにお話をきいてきました。Atsukoさんは旦那様、お子さん二人とカナダ/トロントにお住まいですので、メールインタビューにてお話をうかがいました。
-ボランティアでダンスを披露されているということですが、主にどんな活動をしているのですか?
現在、老人ホーム※でボランティアしています。そのホームには、もともとダンス要員として勧誘されました。ダンスを見たホームの創設者が「思っていたより刺激が少なそうだから(笑)、これなら老人にも安心」と誘ってくださったのがきっかけです。
※「ジャッキー・チェンやカナダ首相も訪れている有名なホームで、約1200人のボランティアが働いている」そうです。
その老人ホームのイベントで踊ったり、関連施設で踊ったりすることが3、4ヶ月に1回あります。そのほか年4、5回、フェスティバルやショッピングモールなどでパフォーマンスをしています。
しかしダンスはどうしても見せるだけになってしまい、体の不自由な方に参加していただけないため、ホームではもっぱら歌の練習のお手伝いとしてピアノ伴奏などをしています。
-ダンスを始めたきっかけは?
小さいころからダンスは好きでしたが、小学校低学年のときにバレエを1年ほど習ったくらいです。発表会の写真が数枚ありますが、シューズがきつくてイヤだったことくらいしか覚えていません(笑)。ちなみにベリーダンスは裸足になって地面とコネクトして踊ります。
ベリーダンスとの出会いは7、8年前です。コミュニティーセンターのクラスをとったのがきっかけです。パンフレットに書いてあった ”Discover your feminine side.”というフレーズに惹かれました。ダンスをしているときは「女性であることの肯定、解放」を感じます。
-踊り続けている理由は?
とにかく気持ちがいい、これに尽きます。皆で一緒に踊る時の高揚感もありますし、それとは逆に、ソロでスローな曲に呼吸を合わせて踊っていると非常に穏やかな気持ちになれます。
あとはお客様の反応です。「夢の国に行った気分」「あなたのダンスをいつも楽しみにしています」と喜んでいただけるのがとてもうれしく励みになります。
-ダンスを始めてから変わったことはありますか?
自分の癒しの場ができました。つらくなったら、すぐダンス。体へのいい影響としては、筋肉を意識し始めたことでしょうか。日常で様々な動作をするとき、使う筋肉を意識するようになりました。例えば、つねに丹田※ を締めるよう心がける、などですね。
※丹田: おへその下約9センチあたりにあるとされる体の部位。インナーマッスルを使ったり、体のバランスをとったりするダンスの世界ではポピュラーに使われる。
ベリーダンスでは、groundingといって、はじめに地面としっかりつながっている感覚を意識しながら体をリラックスさせる方法があります。これは余分な力を抜く訓練になります。
ベリーダンスの動きはisolationといって、体の各部位を独立させて動かします。それを可能にするのが、筋肉。例えば、胸を動かしていても、使っているのは腹筋とか、腰の動きであっても、使っているのは足の筋肉、とか。そのために筋力アップのためのエクササイズをしています。マシーンを使ったウエートトレーニングもしますよ。
-踊る時に大事にしていることは何ですか?
第一に呼吸。複雑な動きの最中でも息を止めないよう、つねに呼吸を意識します。
次に表情。お客様に安心して見ていただけるよう、怖がらせないよう(笑)、なるべく笑顔で踊るように。また微妙なニュアンスが伝わるよう、手の先、足の先まで気を配るようにしています。
-今後やってみたいことはありますか?
踊っていても見ていても心が穏やかになるような創作ダンスをもっと作っていきたいです。瞑想で使われる音が入った音楽でダンスを披露したとき「癒されました」という感想をいただいたことがあります。そういう振付をどんどんしていきたいですね。
-ラストメッセージをお願いします。
時間的制約、自分の興味の範囲に照らして、無理なく続けられそうなボランティアを選ぶとよいと思います。始める前に、何がしたいのかを明確にしておく必要がありますね。自分の得意分野を生かしたいのか、まったく違う分野の体験がしたいのか、特定の技能を身につけたいのか……。
べリーダンスのいい点は、決まりごとが少ない、自由度が高いことです。だから誰でも楽しめると思います。
Have fun dancing and be happy!