第21回:夜景に挑戦!イルミネーションを綺麗に撮るには?その1
写真の初心者が「もうちょっと素敵な写真を撮れるようになりたい!」と思い、「潮風カメラマン 宗」さんからアドバイスをいただいているこの企画。
今回はこの季節に気になる「イルミネーション」写真を今よりカッコよく撮るためのアドバイスを紹介しています。
さらに今回は、撮影時のカメラ設定についても勉強します(各写真に撮影時のカメラ設定※情報をつけました)。
※今回使用したカメラは「Panasonic LUMIX DMC-TZ70」。撮影モードの名称・設定値は各メーカーで違います。
●潮風カメラマン 宗さんプロフィール
西武主催の写真展で全国グランプリ獲得。以来10年以上、大好きな海をテーマとした写真を中心に、「心の風景を写し出す」写真を撮り続けている。
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設定情報:【iA(インテリジェントオート)モード】
ISO1600、F値3.3、シャッター速度1/80
撮影者コメント:とりあえず目に飛び込んできたのを「わぁ、キレイ」と撮りました。
宗さんコメント:きれいだな!と思ったらまずシャッターを切ってみる、というのは大事です。とにかく写してみる、で考える、です。これからもその気持ちは忘れないで写真を撮りましょう!構図としては何を撮りたいかははっきりしていますね。
この状態だともう一工夫ほしいなぁという感じですよね、で、あとはどう撮るか、それが以後の写真にいきていると思います。
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設定情報:【夜景モード】
ISO800、F値3.3、シャッター速度1/40
撮影者コメント:「おっと、外は暗いな」と思って【夜景モード】に変えて撮りました。
宗さんコメント:モードを気にされたのは良い点だと思います。カメラも悩んでいる※ ので、必ずしも夜景だからと言って「夜景モード」が良いとも限りません。画像を確認しながら、自分の気持ちとしてどちらが良いかで判断すれば良いです。
※「カメラも悩んでいる」について(宗さんのカメラ講座)
今回はカメラ設定を記載して頂いているので、カメラが“勝手に”設定した狙いがわかります。カメラも悩みながら設定しています(笑)。それをまず読み解きましょうか。
まず【iAモード】での撮影は、暗さを感知して、まずF値(カメラの絞りです。数値が小さいほど絞りが開いていていっぱい光を入れようとします。)をだいぶ開き側の3.3にしていますね。その上で手振れを防止するためにシャッター速度を1/80程度の速度まであげておき、あとはISO感度を上げることで撮ろう、ISO感度を上げると画面に粗さが出ちゃうけどやむなしというカメラの判断だと思われます。
一方【夜景モード】は(カメラメーカーによって設定も色々ですが、この場合は)まずF値は上と同じ。ただISO800より感度を上げると画像が粗くなるので、夜景をきれいに撮りたい場合はここが限界と判断しISO800固定。このままでは暗いので、手振れは怖いがシャッター速度を遅くして対応。というカメラの判断と考えます。
完璧な設定というのは難しいので、【iAモード】のカメラの判断も、【夜景モード】のカメラの判断もどっちも何かを犠牲にしつつ、どこを大事にするかの考え方で判断されていることがわかって頂けるかと思います。
私が撮ったイルミネーション写真2枚載せますね。
【横浜マリンタワー】
設定情報:ISO200、 F値5.3、 シャッター速度1/1.6秒
【逗子マリーナ】
設定情報:ISO200、 F値11、 シャッター速度1/5秒
どちらも三脚固定です。横浜マリンタワーでは、ぼかしを入れたいと思ったので絞りは開き気味に、逗子マリーナ画像は全体をクリアに見せたかったのでF値を上げて撮影しています。
さらに「夜景撮影時のカメラ設定」について詳しく知りたい方は、この後の説明を続けてお読みください。難しい説明はわからないので、もっとイルミネーション写真が見たい!」という方は、コチラをクリック。
※「夜景撮影時のカメラ設定」についてさらに詳しく(宗さんのカメラ講座)
Scene1、Scene2の設定でわかるのは、三脚使用は前提になっていないことです。シャッター速度1/30秒は相当遅いです。手振れの限界に近いと思います。が、もし三脚使用が前提なら1/10秒とか1/2秒でも考えたいくらいの状況ですので、三脚使用は前提とせずに設定されているんだろうなと思います。いつも三脚を持っているひとなんていないから、まっ、そりゃそっかと思いますが。(笑)
では、例えば気合を入れて夜景を撮りたい場合の設定はどうするか、です。まず手振れ防止のため三脚固定はぜひ考えたいです。
モードは【マニュアル】でも良いですが、まずは簡単に【絞り優先】としましょう「ISO感度はノイズを最小とするために最小値で固定。
次にF値。全体をクリアに見せたい場合はF値を上げて(絞りを絞って、という意味)撮ります。具体的なF値は高めでF9とかF10とかでもOK。その状態でシャッター速度を見ていただくと、おそらく相当遅いシャッター速度になっているはずです(ISO感度が低いうえに絞られているので)。
一方もし一部に焦点を当てて、それ以外のイルミネーションはわざとぼかしたい場合はF値を最小(絞り開放)にしてみましょう。どういう画にしたいかでまずは絞りをいじってみるところからチャレンジしてみると良いと思います(^^)
いかがでしたか?
もっと詳しく勉強したい方は、「潮風カメラマン 宗」さんのブログをご覧ください。
“潮風カメラマン 宗” 初心者大歓迎! 飾りたくなる潮風香る写真教室