第18回:パーティ料理を上手に撮るには?
写真の初心者が「もうちょっと素敵な写真を撮れるようになりたい!」と思い、「潮風カメラマン 宗」さんからアドバイスをいただいているこの企画。前回(第17回)からは、SNSで日常記録的にUPする写真を今よりカッコよく撮るためのアドバイスを紹介しています。
●潮風カメラマン 宗さんプロフィール
西武主催の写真展で全国グランプリ獲得。以来10年以上、大好きな海をテーマとした写真を中心に、「心の風景を写し出す」写真を撮り続けている。
今回は、ホームパーティで撮った写真にアドバイスをもらいました。
撮影者コメント: ホームパーティをしたときに出てきたオードブルです。オシャレなかんじに撮りたかったのですが上手く表現できず。上部の写り込みが邪魔なので、お皿を多少削ってもトリミングしたほうがいいかな、と思っています。
宗さんコメント: お皿も具材が綺麗に配置されていてスッキリした構図になっています。撮影者コメントで書いて頂いているように、上部写り込みをカットするとよりスッキリすると思います。お食事の写真を撮る時、お皿全部を写したい気持ちになるモノですが、メニュー紹介写真ではないので、かなり大胆にカットしても大丈夫です。
どこに心を惹かれたか、自分の心に素直になって構図を決めちゃいましょう!室内だとどうしても暗めになってしまうので、もしカメラに露出調整機能があったら、プラス側で調整してみると良いと思います。加えて、ホワイトバランス調整や、色調調整機能があったら、ブロッコリーの緑か、お肉の赤色が鮮明になるように調整すると、更に美味しそうに写ると思います。
撮影者コメント: ひとつ前の写真と同じ被写体。上を削って、かつパーティ感を出そうとシャンパングラスを入れてみたのですが、バランスが悪いかんじ。オシャレに見えるアングルを知りたいです。
宗さんコメント: シャンパングラスでパーティー感を出そうとチャレンジされたこと、良く伝わります。そういうチャレンジ、とても大事です。ただ構図に迷ったんだろうなぁという事も伝わります(笑)。
シャンパングラスをテーマにする場合、まずシャンパングラスがきれいに見える構図を最優先して考えると良いです。よって後ろのオードブルは、入んなくてもいいや、と割り切ってシャンパングラスを色んな角度で見てみましょう。シャンパンの水面と水平になるくらいのややローアングルでかまえると、グラスの柄の部分、台座部分含めた形がきれいに見える事が多いと思います。
【参考:宗さんが撮ったグラスの写真】
女性を撮る時にややローアングルで撮った方が顔が小さく足が長く、スタイル良く写るのと似た感覚です。シャンパングラスを撮る際には、グラスの柄や台座に当たる光、グラス自体の透明感のある影も意識すると、面白いです。水面と同じ高さになると背景がこの場合オードブルではなくなりますので、そこに何を入れるかでもだいぶ雰囲気が変わります。背景をぼかすか、あえて楽しそうな人たち(口から下とか)を入れるとか、色々チャレンジしてみましょう!!
撮影者コメント: 別の日のホームパーティ写真。「家庭菜園で採れた野菜のサラダ」「手作りの味噌」(左手前)など、ナチュラル感を出したかったのですが、いつものごとく【盛りだくさん】で失敗した例 (^^;)
宗さんコメント: トマトのお皿がすごく印象的です。瑞々しくて美味しそう!構図としてはトマトから上部分と一番手前のお皿しか写っていないお皿はカットするとスッキリすると思います。この画角の中で、どこに心を惹かれたか、どこを訴えたいかに集中し、他を捨てる潔さを持つとより撮影者の思いがクリアになります。それと小物として味噌にスプーンがあっても良かったかなと思います。
撮影者コメント: ひとつ前の写真と同じ被写体。写すアイテムを絞ってみましたが、どっちつかずの印象に。。。
宗さんコメント: 一つ前のコメントを記入してからこちらを見ました。はい、この方向性です!(^o^)すごくスッキリしたと思います。肉じゃがのお皿の白い部分が大きく入り込んでしまっているので、もっと肉じゃがをお皿に盛っておくか、あるいは トマトのお皿がとても華やかなので、こっちをメインにした方が映えたかもしれません。
撮影者コメント: ホームパーティ【番外編】たこやきパーティのひとコマ。たこ焼きを焼く手の動きが面白く写ったなぁ、と自分では思っています。いつもなら省いてしまう上部のゴチャゴチャは、たこやきパーティの雑多な雰囲気に合うかな、と思ってあえて残しました。
宗さんコメント: 手の動きで写真に躍動感が生まれています。周りでたこ焼きができるのを楽しみにしている人たちと会話が弾んでいるんだろうなぁという空気感がとても伝わります。上のお皿のたこ焼きもいい感じでパーティー感を出しています。下1/4はカットしても良かったかもですね。
いかがでしたか?
食べ物写真の極意は「大胆にカットしてスッキリ!」ですね。言われてみれば当たり前のことですが、食べ物なんだからおいしそうに見せる、というのを一番に考えればいいのですね。そのための露出調整だったり、色調整だったりするのです。
グラスに入った飲み物をオシャレに撮るコツを丁寧に教えていただきました。次のチャンスにぜひチャレンジしたいと思います。
もっと詳しく勉強したい方は、「潮風カメラマン 宗」さんのブログをご覧ください。
“潮風カメラマン 宗” 初心者大歓迎! 飾りたくなる潮風香る写真教室