ライセンシング エキスポ ジャパン2018(20170425-27)

ライセンス業界最大の国際イベント「LICENSING EXPO」が昨年から日本でも開催されています。第2回目の開催となる『ライセンシング エキスポ ジャパン2018』に行ってきました。

キャラクターやブランドなど、ライセンスを持っている会社や団体と、それを自社ビジネスに利用したい企業とのマッチングの場です。海外のライセンサー(ライセンスの保有元)が持つコンテンツを見たり、契約を進めたり、という活動は、日本にいるとなかなかハードルが高いもの。

このようなエキスポがあることで、そのハードルがぐんと下がります。会場には、海外セレブリティブランドや日本ではまだメジャーでないキャラクターを紹介するブースが出展されていました。

「ライセンスビジネスって何?」というぐらい【超】初心者の私:れいは、勉強のためにまず「はじめてのライセンスビジネス」という基礎講座を受講してみることにしました。

●「はじめてのライセンスビジネス」

LIMAジャパン(一般社団法人日本ライセンシング・ビジネス協会)による【無料】セミナー。当日の天気は朝から荒れ模様だったにも関わらず、セミナー会場は満員。席を増設しての開催となったそうです。

初心者はとにかく業界用語がわからない、ということで、基本的な用語についてお話を聞きながら理解します。

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※講義メモ:クリックで拡大します

ライセンス」とは、自己が所有する知的財産(IP:Intellectual Property)の他者利用を許諾すること。知的財産(IP)には、商標、特許、著作権などがあります。

商標」は会社のアイデンティティ。他社が勝手に自社名を使って不当な利益を得たり、評判を落としたりしないように守る必要があります。

特許」は発明を保護します。保護するためには特許庁に申請が必要です。

著作権」は創作的な著作物を保護するためのもの。当社ソルクシーズのようなシステム開発会社では、ソフトウエアの著作権について必ず契約に含めます。

ライセンシング業界では、守るべきものをIP(Intellectual Property)を省略して「プロパティ」と呼ぶようです。具体的には、キャラクター、登録商標、マーク・ロゴなどのデザイン、ブランド名や会社名、著名なアーティスト・俳優・スポーツ選手などの氏名や肖像など、多岐にわたります。

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※出展社(株式会社 東北新社)の展示ブース前で写真撮影に応じていた「ひつじのショーン」と「ガーフィールド」

プロパティの所有権を持つ側を「ライセンサー」、許可を得てそれを利用する側のメーカーや小売業の側を「ライセンシー」と呼びます。”サー”と”シー”、1文字違いで混乱します。「ライセンサー」は、「権利元」や「版権元」と呼ばれたり、「プロパティオーナー」と呼ばれたりするのでさらに混乱です(笑)。

基本用語がわかったところで、ビジネスにおける関係についてさらに学びました。

一番シンプルな関係は、「ライセンサー」がプロパティの使用を「ライセンシー」であるメーカーや小売業に【許諾】し、「ライセンシー」が使用料を支払う形態。

両者を取りもつ「代理店」や「マスターライセンシー」が入ってくると、関係がちょっと複雑になります。

契約の管理がちょっと複雑になっても、ライセンスビジネスが存在するのは、「ライセンサー」「ライセンシー」ともにメリットがあるからです。

ライセンサー」のメリットは、「ライセンシー」の商品で使われることで「プロパティ」がそれまでつながりがなかった分野や消費者に認知されることです。また、広く認知されることで、監視機能が働き「プロパティ」の保護につながります。

ライセンシー」のメリットは、すでに確立している「プロパティ」の認知度や信頼性を利用することで、自社商品に付加価値がつくことです。付加価値がある商品は、通常より高い価格で販売することができ、売上アップにつながります。

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※講義メモ:クリックで拡大します

セミナー後半は、ライセンスビジネスのプロセスについての説明でした。上の講義メモのとおり、大きく5つのステップで進みます。ステップについては講義メモ画像でご覧ください(右上から時計回り)。

契約に入る前の 1.ブランディングや、3.商品開発について、きめ細かい確認が行われる点が印象的でした。

2. 契約については、使用料の決め方、支払いのパターンがいくつもあるので、契約中の使用料管理や5. 使用料(支払い)の手続きに注意が必要だと思いました。

セミナーの最後に「Why Licensing?」(なぜライセンスビジネス -プロパティを活用したビジネス- をするのか?)という説明として、HERSHY’Sの例をあげたお話がありました。

HERSHY’Sはアメリカ生まれのチョコレートブランドですが、日本の菓子メーカーがそのチョコを使ったアイスバーを開発、ロゴをつけたパッケージで販売し、スーパーやコンビニでも見かけるメジャーな商品になっています。

こうしてみるとブランドを活用した商品は私たちの周りにたくさんあることに気づきます。そこには大きなビジネスメリットがあるからです。

もう「ライセンスビジネスって何?」と言ってはいられません。

今年の「ライセンシング エキスポ ジャパン」はまだ小規模でしたが、きっと来年はもっとスケールが大きくなって開催されるでしょう。今後もこのエキスポをウォッチしていこうと思います。

【おまけ】

魅力的なキャラクターやブランドを扱うライセンスの展示会ということで、入場パスにつけるストラップホルダーや入場者へのお土産プレゼントもポップで楽しい♪
omake

編集長「れい」のイベント見聞録 と同一カテゴリの記事

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