第45回国際福祉機器展H.C.R.2018(20181010-12)
東京ビッグサイトで開催された『第45回国際福祉機器展H.C.R.2018』に行ってきました。
世界14か国1地域より560社を超える企業・団体から、数多くの製品を一堂に集めたアジア最大規模の国際展示会です。見て・さわれる製品展示だけでなく、福祉の現場に関連する多彩なセミナーやイベントも実施されていました。
ソルクシーズグループからは、「コミュニケーション・見守り機器」のカテゴリーに、センサーによる見守り支援システム【いまイルモ】と、センサーとロボットを連携した【いまイルモ PaPeRo i(パペロアイ)】を出展しました(いまイルモ PaPeRo iは、仙台フィンランド健康福祉センター様のブース内)。
●センサーによる見守り支援システム「いまイルモ」
部屋の「明るさ」や「温度・湿度」、部屋にいる人の「モーション(動き)」を測定できるセンサーで、日々の生活データを収集してクラウド環境に蓄積。インターネット経由でいつでもデータを確認することができ、離れて暮らす方や介護の必要な方の見守りをサポートするシステムです。
カメラを使った“監視”ではなく、データから見守られる方の生活の様子を把握するので、普段通り暮らしてもらいながら、「在室・外出の把握」「起床・就寝時刻の予測」「トイレの利用回数カウント」などが可能。
データの確認はスマートフォン、タブレット、PCを使って“いつでも・どこでも”。介護施設では「一括管理システム」を使って事務室から入居者の様子を把握したり、蓄積したデータを「介護記録」や「ケアプラン作成」に活用したりすることができます。
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●いまイルモ PaPeRo i
「いまイルモ」のシステムに、コミュニケーションロボット:PaPeRo iによる「通知」「声掛け」「録画」機能を追加して、介護施設等における「徘徊」「離設」防止を支援するシステムです。
施設の玄関等にPaPeRo iを置き、いまイルモのモーションセンサーが入居者を検知すると、インターネットを通じて職員へ通知します。
見守ってくれるPaPeRo iの声はこんなかんじ。
私:れいの顔は登録していないので、「あれ?僕の知らないひとが通りました」と言われてしまいましたが、顔を登録したひとが通ると「どこに行くの?」「中にいようよ」等と声掛けします。
「声掛け」と同時にPaPeRo iに搭載されたカメラで録画をするので、万が一外出してしまった場合には、服装など捜索の手がかりを記録することができます。
来場者の職種はさまざま。行政や福祉団体、福祉施設・在宅サービスのほか、病院・研究機関、さらには製造業、建築設計業まで多岐にわたるなか、「いまイルモ PaPeRo i」の展示ブースでは、学生さんらしき若い方の姿も見かけました。
福祉系学校の生徒さんで、「ゼミ学習の一環で長野から来ました。見て回るのに3時間ぐらいかかりそう」と言いつつ熱心にメモをとっていました。商談をメインの目的とする他の展示会では、「一般、学生さんお断り」ということもあるそうですが、この展示会は違うよう。
高齢化が進み、介護現場の労働力不足が問題になっている今、将来を担う若いみなさんにこそIoT※などの新しい技術を使った「いまイルモ」のようなシステムを活用した介護について理解を深めてもらいたい、と思います。
※IoT(Internet of Things:身の回りのものがインターネットにつながり、情報交換により相互制御する仕組み)
●おまけ● ユニバーサルな展示会場
来場者には、福祉機器やサービスを実際に利用されるユーザ側の方々も多く、車椅子の方や歩行・運動が困難な方に配慮した展示会のデザインが印象的でした。
東京ビックサイトで行われる多くの展示会では、会場への入場受付は、メインエントランス(2階)から階段やエスカレータで降りた展示会場と同じ階(1階)で行うのですが、今回は、メインエントランスと同じ階の通路に広い受付ゲートを設置。
首から下げる形式の入場パスも、今回は、シール式のパスを服に貼り付ける形式です。
展示会場への出入り口は、すっきり広々としており、「他の展示会もこのようにしたらどうかしら?」と感じる気持ちよさでした。
展示会場に入ってみると、車椅子でもスムーズに進めるように、なめらかなカーペットが敷いてあったり、会場内の区画を示す番号が大きくそのカーペットに描いてあったりして親切。
イベント会場の設営・運営についても気づきの多い展示会でした。
センサーによる見守り支援システム「いまイルモ」の詳しい説明はこちら です。