HR SUMMIT 2016(2016/05/12)②
日本最大級の人事フォーラム『HR SUMMIT 2016 』に行ってきました。HR は Human Resources の略で、人事系のテーマについてのセッションが行われる催しです。今年から「HRテクノロジー&ビックデータJAPAN」が同時開催されています。
セッション聴講メモをマインドマップで紹介しています。今回聴講したもうひとつのセッション(「最新の脳科学、人工知能、ITの進化で、人事はどう変わるか」)およびマインドマップについては、「HR SUMMIT 2016(2016/05/12)①」記事 をご覧ください。
●人工知能が「働く」を変える
〔モデレーター〕ProFuture株式会社 代表取締役社長 / 中央大学大学院戦略経営研究科 客員教授 寺澤 康介 氏
〔講師〕株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者 牧野 正幸 氏
寺澤氏は、HR総研※ 所長。
※HR総研:HR Research Institute。企業・団体のHR(人事)領域に関する調査、研究を行う研究所。
牧野氏は、「20万人の学生があこがれる経営者アワード PERSONALITY部門」第1位 (LEADERS’AWARD)や「理想の経営者No.1」に選ばれるなど、今最も注目を集めるIT企業の経営者(プロフィール情報より)。
Pepperくんの登場や、囲碁AI:AlphaGo(アルファ碁)がプロ棋士に圧勝、というニュースなどでよく耳にするようになってきた【人工知能】という言葉。
すでに今は「第3次ブーム」だそうで、研究のトレンドは【ディープラーニング】。現在、商用段階に入っているPepperや自動運転は、実は「第2次ブーム」の【機械学習】の実用化とのこと。
【ディープラーニング】と【機械学習】の違いって何?、、、という話は専門的になるし、今回のセミナーでも詳述されていなかったので割愛し、ざっくり「人工知能を企業システムに導入したら、仕事はどう変わるの?」ということで話は進みます。
一つ目の例は【入力レス】。同じような文字列を何度も入力したり、単語の文字列を全部入力する必要がなくなります。これはスマホの入力などでおなじみの予測変換です。あれって便利ですよね!
二つ目の例は【パーソナル秘書】。過去のカレンダーデータやスケジュールデータなどから「そろそろ○○の時期ですから、△△の作業をしたほうがいいですよ」って“コンピュータが考えて”教えてくれる機能です。
現在でもある“自分で通知タイミングや通知内容を設定する”リマインダー機能と違うところは、“コンピュータが考えて”内容やタイミングを決める、というところです。
三つ目の例は【自動作表】。HR部門を含む管理系業務を主とする方々は、EXCELなどで表を作るのに多くの時間を費やしているのが現状。人工知能の力を借りれば、「このセルにはこのデータを入れて、、、」ということを学習させたら、その後は「このデータ、まとめといて」と頼めば表ができちゃう、というイメージ。楽!
これは、【使い勝手】において「コンシューマー(=個人)」向けシステムが、「エンタープライズ(=企業)」向けシステムをすっかり追い越してしまった、という説明があった際の図(のメモ)。
つまり「みんな会社では“ガマンして”システムを使っている」ということです。これは世代が若くなるほど顕著だと思います。デジタルネイティブ世代にはかなりのストレスかも。そのせいで落ちるかもしれない作業効率について考えるべき時期が来ているのかもしれません。
牧野氏の会社では、昨年「世界初 人工知能搭載ERP【HUE(ヒュー) 】」を発表しました。「企業の業務システムに、コンシューマーITのようなユーザビリティとスピードを取り入れる」という発想で開発されています。それを実現するテクノロジーが【人工知能】というわけ。
人工知能を企業システムに取り入れたら、何が変わるか?
一番に不要になるのは「コンピュータの操作に関する知識」と牧野氏は言います。
人間は“人にしかできないこと”をするように変わっていく、と。
“人にしかできないこと”とは何か?
それは例えば、人に会うこと。単に情報をやりとりするだけじゃなくて、人を元気づけたり、組織を活性化したりすること。そのアイデアを考え出したり、話し合ったりすること。
人工知能を業務に取り入れることで、オフィスで人間がちょっとコンピュータから離れて、見た目では昔に戻った感じになる、というのも面白い未来かもしれませんね。