コンテンツ東京2016(2016/06/29 – 2016/07/01)②
『コンテンツ東京2016』に行ってきました。
東京ビッグサイトで行われた業界関係者のための商談会です。イベント詳細は「コンテンツ東京2016(2016/06/29~2016/07/01)① 」をご覧ください。
この記事では「特別講演」その2と展示会場の様子をレポートします。
●特別講演7/1 ①:小説、音楽、ゲーム、絵画… 人工知能が「作品」を生みだす日
公立はこだて未来大学教授 松原 仁(まつばら ひとし)さんの講演。
公立はこだて未来大学、といえば、ショートショートの新人賞である『星新一賞』(日本経済新聞社主催)に人工知能が制作した作品を応募し、1次審査を通ったことで話題になった大学。ソルクシーズグループでもこの大学の卒業生が働いています。
小説を制作したのは、松原教授が中心になって進められている『きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ 』。
この講演では、前半で「将棋」や「碁」の対戦で人工知能がプロ棋士を破った例とその理由を紹介し、後半で「人工知能による創作」について紹介していました。
講演内では、ワンクリックで次々と小説が生み出されていく様子を紹介したプロジェクト紹介動画をみることができました。
そうして制作された作品のなかから“人間が読んで”「これはよさそう」と思うものを応募したそう。
現時点ではまだ、シナリオ(小説にどんな要素を入れるか)を与えたり、どのような表現が面白いか判断したりは人間が行っているので、その関与を減らすことが今後の課題、ということです。
●特別講演7/1 ②:AI-人工知能でコンテンツ制作はどう変わる ~人工知能とクリエイターが共存共栄する未来~
株式会社Qosmo代表取締役CEO 徳井 直生(とくい なお)さんの講演。
徳井さんによる人工知能(=AI)の定義は
「賢そうに見える行為を“もうちょっとで”実現できそうなしくみ」。
つまり「実現しちゃった技術は、もはやAIではない」ということ。よくわからないけどなんとなく【最先端】感が漂うAIについて上手く表現した言葉だと思います、
もうひとつ興味深かったのは徳井さんが提案した「AIとのつき合いかた」。
AIを利用していろいろな処理をすると、最初はたくさんの間違いをします。例えば、画像認識で「釣られた魚」と「戦場で傷ついた人」を同じものと判別したり。。。(いずれも血を流してぐったりしている)。人間はこれを別々のものと認識します。それは人間の“良識”に基づいた判断から来るものでしょう。
徳井さんの説に従うと、これを「間違い」としないで「新しい捉え方」として活用することがAIを生かすつき合い方、ということになります。
これを聞いて、部下(自分より経験やスキルがないと思っている存在)との仕事の仕方に似ているな、と思いました。既知の価値観で切り捨てないで、相手の視点を取り入れて自分の視点をブラッシュアップしていく。新時代の働き方のひとつだと考えます。
●展示会場レポート(「AI・人工知能ワールド」「プロダクションEXPO」「先端コンテンツ技術展」)
「映像・CGゾーン」では、【プロジェクションマッピング】が目につきました。ライブイベントやアミューズメント施設でも目にすることが増えてきた技術ですね。
VR(バーチャル・リアリティ)技術を利用した体感ゲームが大人気。10分待ちの行列です。
精巧なつくりのロボット(アンドロイド)も!
「観賞魚ロボット」なんてのも!
ピカピカ光りながら泳ぐ錦鯉。
”わくわく”する華やかなコンテンツの裏には、連綿と磨かれてきた技術や、それを活用して地道に開発に取り組むエンジニアの存在がある、ということも感じられた展示会でした。