山形国際ドキュメンタリー映画祭2015(2015/10/8~15)*観賞編
『山形国際ドキュメンタリー映画祭』に行ってきました。
映画祭についての説明や事前準備についてはコチラをご覧ください。
映画祭では100本を超える作品をどのように上映しているのでしょう?開催期間が1週間あり、上映場所も複数ありますので、同じ作品を日時と場所を変えて何回か上映する、という方式をとっています。
現地入りする前に、公式サイトのプログラム表で観たい作品をピックアップしておきましたが、観賞スケジュールを立てるため、現地でもらった紙のプログラム表とにらめっこ。
【プログラムの他に街歩きガイドも眺めつつ観賞スケジュールを決める】
『山形国際ドキュメンタリー映画祭』は、地域住民を始めとしたボランティアの方々がたくさん運営に参加されています。上映場所は地元にある建物を利用。メイン会場となるのは「山形市民会館」「山形市中央公民館」「フォーラム山形」の3つ。
「フォーラム山形」は地元の映画館です。ロードショー作品のポスターを眺めながら映画祭作品の上映開始を待つ、という不思議な体験。メイン3会場のうちここだけポップコーンや飲み物を持ちこんで観賞でき、気軽な雰囲気から一番気に入った会場でした。
【「フォーラム山形」のトイレ。ウッディな作りがレトロ】
この会場で最初に観たのが『桜の樹の下』。川崎の市営団地に暮らす独居老人たちの語りを紡いだ作品です。
妙に親切なおばあさんあり、部屋がゴミ屋敷になっているおばあさんあり、ちょっと女性的でつましく暮らすおじいさんあり、「赤旗」という新聞を配るおじいさんあり。。。
「1本目からすごいのを観てしまった」とショックを受けた私。あらためてリアルが持つ力に圧倒されたかんじ。
映画の登場人物は私が日常で出会う人々と同じく、みんなそれぞれ偏っていて、最初は「ヘン」とか「ちょっとイヤ」とか感じても、それぞれが生きてきた背景やこだわりをもとにした”偏り”だとわかってくると、愛しかったり、せつなかったりします。すごく。
フィクション映画を観て日常を離れてすっきりしてみるのもいいけど、ドキュメンタリーを観て自分の日常を見直す、という体験はいかがでしょうか?
「多様な作品を上映するだけでなく、人々の交流を通して未来に向け開かれた国際的なネットワークを育もう」(HPより引用)という、この映画祭の精神に導かれ、現地ではいくつかの出会いがありました。
ここで今回のポイント。「『山形国際ドキュメンタリー映画祭』では出会いを楽しめ!」
現地でご縁ができた大日本印刷株式会社ABセンター クールジャパン推進室の池田敬二さんが、前回(2013年)の映画祭に参加した際に書かれたWeb記事を紹介します。
『クロスメディア考現学(9)山形国際ドキュメンタリー映画祭で感じたこと』
「山形国際ドキュメンタリー映画祭」についてとてもわかりやすく書かれた記事です。
作品の監督と直接会えるのも映画祭の魅力。作品の上映後、監督との質疑・応答やトークのチャンスがあるのです。監督だけでなく出演者も登場したり、本編とは別の“オマケ”カットが上映されたり。。。
【『テラキスの帰郷』上映後。真ん中のチェックのシャツの方が監督(お若い!)、右端の民族衣装を着ている女性は作品に登場された方】
もうひとつの出会いはビックリ体験。
『七度目の祈り』という作品の上映前。やってきた男性が隣の席を指差し
「Is anybody sitting here?」(ここ、誰か座ってますか?)的なことを言うので、
「No」と答えると、どっかりと座りハンバーガーを食べ始めました。しばらくして上映開始。
上映が終わり会場が明るくなると、隣の男性がおもむろに立ち上がりスクリーンに向かって歩いて行きます。そして会場の皆さんに向かって挨拶し始めました。
「えーっ!」(心の声)
監督の隣で映画を観ちゃいました(笑)。
次回は、初めての【映画祭】「感想編」です。お楽しみに♪