コミュニケーションするロボットと支える技術セミナー(2016/02/26)その1
1月末に『Pepper World 2016』の取材に行って以来、ロボット熱の高まった私です。
今度は、株式会社エーアイ 主催の「コミュニケーションするロボットと支える技術セミナー」に行ってきました。
●冒頭あいさつ
株式会社エーアイ 代表取締役 吉田氏
株式会社エーアイは、人間の声から作成したデータベースを元にした「音声合成」エンジン:AITalk®を提供しています。AITalk® はすでに、防災無線や館内放送、ナビゲーションシステムやゲーム、eラーニングやスマートフォンアプリなどでの利用実績多数。もちろん、今回のテーマであるロボットにも導入されています。
pepperの登場でコミュニケーションロボットの注目度が急上昇。多彩な「音声合成」が実現できるAITalk®への問い合わせも増えているそうです。
吉田社長が、エーアイという会社名をつけた際、「鉄腕アトムみたいなロボットを作れないかな」と思っていたそう。「これからはAI(ロボット)のためのエーアイとしてもやっていきたい」と述べておられました。
●ゲスト講演1:ロボット業界のトレンドについて
ロボットスタート株式会社 副社長 北構(キタガマエ)武憲 氏
講演前に「サイトの取材です」と挨拶をしに行ったところ
「掲載されたら連絡をいただければ、こちらでも紹介しますよ」
と言ってくださいました。北構氏、いいひとです!(笑)
北構氏は、インターネット業界の経験をひっさげてロボット業界に転身、というご経歴をお持ちです。転身のきっかけは、経済産業省の資料から「ロボット市場が大きく成長すること」を見越されたから。
今後、棒グラフの紫色部分(サービス分野)の成長が著しいことがわかります。ここが「ロボットスタート株式会社」のターゲットとのこと。
起業した当時は、上に引用した経済産業省のデータ以外、ロボット業界に関する情報が全然ない!という状況。そこで、自分たちで予測データを作成し、それがビジネス雑誌や新聞で取り上げられ注目を浴びるように。
北構氏は、昨年6月に家庭用登場したpepperを見た時、「今までのロボットと違う」と感じたそうです。
その違いとは、「アプリの開発環境がオープン」「インターネットにつながっている」という2点。
「パソコン・スマホの延長線上にあるロボットだ」と思い、それらが爆発的に普及したようにロボットも普及していくだろうと予想しています。
●ロボットを取り巻く環境に「不足しているもの」
・ロボットアプリを開発する人
・どのロボットが自分に合うのか相談にのってくれるコンシェルジェ
・ロボットに関する情報
ロボットスタート株式会社は、これらの不足を補うためのサービスを提供しています。
比較的、大規模な「ロボットビジネスコンサルティングサービス」「ロボットアプリケーション開発」に加え、個人でも利用しやすい「ロボットメディアサービス」:robot start.infoにて
・ロボットアプリレビュー
・ロボット企業データベース
・ロボットデベロッパー向けの技術情報
といった情報提供をしています。
「ロボットアプリレビュー」でも 100本以上の記事をあげているそう(セミナー実施時現在)。 それはつまり、気軽に体験できるロボットアプリが100以上ある、ということです。
「自分でもロボットを動かしてみたい!」という方、無料でロボット体験できるスペースが秋葉原にあります!
Sota Communication Space AKIHABARA
●ロボット市場 大きく2つのゾーン
ロボットの本体を作るハードウエアメーカー、ロボットを制御するソフトウエアメーカーに加え、「既存の枠内にいなかった人たち(企業)がロボットに注目しはじめている」と北構氏は語ります、
それは、一般のアプリケーション開発者(社)が、ロボットの活用も視野に入れた開発をし始めることでもあり、今までロボットとは縁のなかった企業が新規事業の候補として検討し始めることでもあると考えます。
「新規ビジネス企画」を担当する部署が、“ロボット”というキーワードを含めて企画を考える時代になった、ということかもしれません。
次回はゲスト講演2。ユニロボット株式会社 代表取締役 酒井氏による自社ロボット『unibo』紹介の様子をレポートします。